IN/OUT (2004.3.28)

シンガポールの人達は騒音に対して非常に寛容だと感じます。電車内での携帯電話やゲーム機の使用などもそうですが、音量、音質に対する許容度は、私とはかなり異なっているようです。

店内でのBGMや街頭イベントのBGMは、ほとんどの場合、硬質な、私には耳障りな音質にチューニングされ、とんでもない大音量で流されています。ちょっとBGMとしての限度を超えているように感じられるのですが…

今日も、ショッピング・モールの前でバンドが演奏していましたが、うるさ過ぎ。さらに、上手じゃない。むしろ、はっきりと下手くそと言い切れる演奏だったのに、黒山の人だかりが…。シンガポールの人達的には良いのか、あれで?


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"Big Fish" (04.03.27)

Tim Burton監督の新作(にして最高傑作、と言い切ろう)を観てきた。

号泣。ぐっとくる映画にはしばしば出会うが、鑑賞中に実際の涙がこれほど大量に出たのは何年ぶりだろう。

ストーリー自体を要約してしまうとシンプルな家族物語だ。しかし、そこに、大男、人魚、人狼、魔女、シャム双生児。サーカス団、人々が裸足で暮らす村等々、父親が語る思い出=ほら話を映像化した、Tim Burtonらしさ溢れるイメージが重なる。ノスタルジックで暖かな雰囲気が全編を覆う。

かなり予算規模の小さな作品だと聞いているが、Ewan McGregor、Albert Finney、Jessica Lange、Steve Buscemi、Danny DeVitoなどの大物俳優が出演しているところが、さすがBurton作品。皆、個性的な演技で、愛すべき登場人物達を演じている。

実のところ、冒頭からしみじみとした雰囲気が濃厚過ぎて、しばらくはリズムに乗れなかった。が、気が付けば、着実に私のスイート・スポットを突かれまくっている。そして、ラスト近くが泣ける泣ける。ええ話や。さらに、父が語ってきた「ほら話」と「現実」とがクロスするエンディング。卑怯なぐらい巧みな演出に、また涙。ほんま、ええ話や。



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"Bob James and Friends" (04.03.23)

Bob Jamesの公演を観に、Rock Auditoriumへ行ってきた。

Suntec Cityのショッピング・モール内にあるRock Auditoriumに行ったのは初めてだ。1,200人のキャパでそれなりに大きいが、音楽用というより、講演会などをメインに設計された会場なのだろう。座席の傾斜がゆるく、前後の幅が非常に大きく取ってある。足を投げ出しても前の席につかえない広さだが、逆に言うと、コンサート会場としては一体感に欠ける気がした。

肝心の演奏は、ピアノのBob Jamesの他に、ドラムスとウッド・ベース。さらに、韓国人ギタリストJack Lee。オリジナルの他に、Pat Methenyの"James"や、Norah Jonesの"Don't Know Why"(これはMethenyもカバーしていたな)なども交えつつ。

演奏は、もちろん上手い。強烈な個性と言うより、都会的に洗練されたクールな音。激しいプレイを交えつつも余裕を感じさせる。ただ、Jack Leeのギターの泣きの音色が、私には安っぽいフュージョン・サウンドに聞こえて、ちょっと興醒めのところが寂しい。

毒気の無いインストゥルメンタルということでは、先週のSecret Gardenと同じだが、今回は1939年生まれのご老体を筆頭にしたおじさんばかりの演奏で、「萌え要素」が無かったのも寂しい。いや、そんな物を期待するのは間違っているとは分かっているが…。



そういえば、今日はサッカー日本代表ご一行様が来星する日でした。どうぞ、体調管理には気をつけて。カラオケ・ラウンジなどに繰り出さないように…

チケットを譲ってもらえるチャンスもあったのですが、結局、期末日ということで仕事優先にしてしまいました。判官贔屓かつ地元意識で、シンガポール代表にもちょっと肩入れしたいと思う今日この頃です。