IN/OUT (2004.1.4)

大晦日の夜、日本人としては、やはりNHK国際放送の「紅白&ゆく年くる年」を見てしまう訳です。そして、除夜の鐘でしんみりと年越ししても、時差一時間。こちらはまだ午後11時。地元局にチャンネルを替えると、毎年恒例、Sentosaでのカウント・ダウン・パーティーの生中継です。熱帯の年越しは、ビキニのおねーさん達がご陽気に踊りながら。そして、日付が変わると同時に、明るいアレンジの「蛍の光」を大合唱(しんみりしたアレンジの「蛍の光」って、日本以外ではあまり耳にしないかも…)。つくづく好対照です。


in最近のIN

Cher "The Farewell Tour" (03.12.31)

カウント・ダウンの後、チャンネルをザッピングしていてたまたま行き当たったCherのコンサートに、目が釘付けになった。40年に及ぶキャリアに一区切りを付ける公演だったらしく、実に気合いが入った演出だ。特に彼女のファンと言うわけでは無かったが、そのゴージャスさとCher姐さんの存在感が、ただただ圧倒的で、すっかり見入ってしまった。美容整形技術の粋を集めた容姿は、1946年生まれということを考えれば、人間離れしているとすら言えそうだし、ファッション・センスのぶっ飛び方も半端じゃない。しかし、ステージで歌っている自信に満ちた姿は、純粋に美しい。

途中、「ここから本当のfabulousなステージを見せるわよ」と語るMCの流れで、新しい世代の女性歌手として、J.LoとBritneyの名前を挙げて一言、
"Follow this, you bitches!"

この啖呵にしびれた。格好良すぎですよ、姐さん。


"The School of Rock" (04.1.1)

ロックへの信頼とミュージシャンへの夢を捨てきれない男が、ひょんな事から名門小学校の臨時教師となり、生徒達にロックを教える…、というコメディ映画を観てきた。出演している子役達は、実際に楽器が演奏できるようだ。アメリカのShow Biz界は、さすがに層が厚い。

展開は、あまりにも予想通りで、超が付くご都合主義だ。映画としてはまったくもって薄っぺらだし、主人公 Jack Blackの濃い演技が好きになれない。しかし、憎めないのは、ここで取り上げられているのが、'60年代から'70年代前半を中心にしたロック(主人公が生徒に宿題として聴かせるCDが、Yes、Pink Floyd、Jimi Hendrixだったりする)ということだ。まさに、私的ストライク・ゾーン。製作陣は私と年代が近いのだろう。

エンド・クレジットでの子役達の本当に楽しそうな笑顔を観ていると、とりあえずこちらもハッピーな気分になれる。お正月にアハハハと笑いながらお気楽に観るには良い映画だった。



こちらのカウント・ダウンで印象的だったのは、パーティーに集まった若者達が口々に、「シンガポール最高!」「おめでとうシンガポール!」などと叫ぶこと。無邪気な愛国心は、ひねくれた私には、なんだか底が浅く感じられてしまいます。まぁ、そこは小国。きな臭くならないので、問題なしか。