IN/OUT (2003.11.29)

先週末は社内旅行でした。
この四年、オーストラリアが続きましたが、今年は、諸般の事情で予算を削減。近場、タイのPhuketへ三泊四日のツアーとなりました。


in最近のIN

社内旅行 2003 (03.11.21-03.11.24)

あるいは
「社内で一番ビーチ・リゾートの似合わない私も、プーケットに行くの巻」

11月21日(金)

部屋の窓から朝、9時半発のTG便にて、Phuketまで1時間半のフライト。時差が一時間あるので、着陸したのは10時過ぎ。現地ガイドと合流し、空港からバスで宿泊場所、"AMARI Coral Beach Resort"へ向かう。

Patong Beachの南端に位置する大きなリゾート・ホテルで、ロビーから部屋までたっぷり5分以上歩く。部屋のすぐ外が海岸で良い感じだ。荷物を解いて、さっそく外出。ロビーで、皆が、Phi Phi Islandや、夜のエンターテインメント・ショーなどのオプショナル・ツアーの検討をしているのを横目に、一人、ビーチへ。

ビーチとりあえず、目にとまったオープン・カフェでチーズバーガーを食べ、さらに、ずんずんビーチ沿いを歩く。土産物屋と飲食店、あとはマッサージ屋ばかりが並び、町並みとしては、特に面白くも無い。そのうち、スコールが降り始めたので、近くにあったStarbucksで時間を潰す。それにしても、訪れているのは圧倒的に白人が多い。世界中、どこの観光地にも溢れている日本人や中国人は、少数派だ。

一旦、ホテルに戻り、シャワーを浴びてから、再び町へ。足マッサージ屋に行った後、タイ料理屋で夕食。ホテルに戻る途中のバーで、バーボンのソーダ割りを数杯。町中のバー(通りに面した側には壁がなく、いきなりカウンターがある形式の店がほとんどだ)だと、いかにも人生投げた感じの白人おじさんがたむろしているのだが、ホテル近くは町はずれで、客がほとんどいない。カウンター内の店員もやる気があるんだか無いんだか。まぁ、かえって居心地は良い。

合間合間に、ボリス・ヴィアン「うたかたの日々」読了。かなり、やられた。実に愛らしく、純粋で、悲しい恋愛小説だ。違うときに読んだなら「過剰な装飾を施しているだけで、実は単純な話じゃん」と切り捨てていたかもしれないが…。いずれにせよ、トロピカル・リゾートで読むのに適した小説とは言えないか。


11月22日(土)

デッキチェアに寝っ転がる9時頃起床。ホテルを出て、まずはStarbucksでコーヒー。それから、ビーチでデッキチェアを借り、寝っ転がりながら、ジョン・アーヴィング「ガープの世界」。これまた、ビーチ・リゾートで読む小説か?という気もするが…。

ビールを飲む次々と売り子がやってくるので、昼食に立つこともせず、ビールとローストチキンと春巻き。

良い天気だ良い天気だ。波の音も潮風も心地よく、ページを繰る手も止まりがち。現実世界との関わり方の不器用さや、喪失感などなど、抱え込んでる問題は全て棚上げ。

この後も瓶は増えましたビールの本数だけが増えていく。

15時過ぎ、ホテルに戻り、シャワーを浴び、一休み。パラソルの下にいても、結構日焼けしている。19時から、社員揃っての夕食を、ホテル内のレストランで。
食後、懲りもせず、昨日と同じバーへ。


11月23日(日)

紅茶とiPodとガープの世界9時頃起床。Starbucks → ビーチのデッキチェア。昨日と全く同じ。しかし、この日は曇りがちで、何度かにわか雨が落ちてきた。結局、13時過ぎにはビーチから撤退。町で昼食を済ませ、ホテルに戻る。パティオで紅茶を飲みながら、「ガープの世界」の続きを読んだり、海を眺めたり。

夕方、ホテルを出て、初日と同じ足マッサージ屋 → タイ料理屋 → バー。何の変化も無し。生産的なことは何もせず。問題は全て棚上げ。思考停止は続く。


11月24日(月)

最終日。朝、少し早起きしたので、まだStarbucksは開いていない。別の店で朝食を取り、ビーチのデッキチェアへ。「ガープの世界」読了。

11時にはビーチを後にし、途中で昼食を取ってホテルへ戻る。14時、チェックアウト。団体写真を撮り、15時にはバスでホテルを出発。途中、お土産屋に二軒立ち寄り、空港へ。18:35のTG便でシンガポールへ。21時過ぎに到着。


結局、今回は、団体行動の時間が夕食一回とホテル・空港間の往復しかなかった。私にとってはありがたく、また、従業員の多くも、のんびりできたと言っていた。ただ、今年初めての参加だった他の二名の日本人出向者(とその家族)には、過去の社内旅行のような貸し切りバスツアーの方が、良かったかもしれない(ローカル従業員の家族と親しくなる機会が増えるし、オーストラリアに行っても毎食中華、という理不尽さを味わえるし…)。



ということで、無事、社内旅行終了。この期間は、単に現実問題から逃避した真空状態だったという気がします。戻ってきたら、棚上げした問題がそのまま残っている訳で…。昼間っからBang-La Road沿いのバーにたむろしていた白人おじさん達に、ちょっとシンパシーを覚える今日この頃です。