IN/OUT (2003.10.12)

先週書いた、Paragon Extension地下には、小籠包で有名な台湾本店の点心レストラン「鼎泰豊」も入店しています。いつでも大行列。私自身は、台北には何度も出張していたのに本店に行ったことがなく、一度、香港店を試してみたことがあるだけです(同席した台北からの出張者には「本店の方が遙かに美味しい」と豪語されてしまいましたが…)。そのうち、このシンガポール店にも行ってみよう。

これで、日本から来る人を連れて行くのに便利な店が一つ増えたなと思っていたら、既に日本には何店舗もチェーン展開していたのですな。悔しい。


in最近のIN

「マ・メゾン」を誉める (03.10.11)

Bugis Juncitonにある、洋食屋である。フレンチやイタリアンのレストランではなく、日本風の洋食屋さんだ。漢字だと「日式西洋餐」って書いてあったかな。ハンバーグやオムライス、ハヤシライスやグラタンなどがメニューに並んでいる。

フロアに日本人の店員がいるが、厨房にも日本人がいるのだろうか。味は、まさに日本の洋食屋さんと同じ。当地にあっては、トンカツの「とん吉」と並ぶ「日本と同じ味レストラン(値段もね)」だと思う。

海外の和食屋と言えば、寿司や天ぷら、あるいはラーメンや居酒屋などが一般的だと思う。「洋食」は、それ自体を外人に理解してもらうのが難しそうだ。それなのに、敢えてこのメニューでシンガポールに出店したオーナー氏には敬意を表したい。ほんと、ドミグラス・ソースのかかったハンバーグとか、たまに無性に食べたくなるものなのである。


「100%の女の子」 (03.10.12)

村上春樹氏の1983年の短編集「カンガルー日和」は、「1973年のピンボール」とともに、自分の村上春樹歴の出発点にあたる思い出深い作品だ。その収録作品の中でも「1963/1982年のイパネマ娘」と並んで印象的だった短編「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」が、映画化されていたことを知って、さっそく通販で取り寄せた。

映画化と言っても、1984年に山川直人監督が手がけた11分の16mm作品である。なお、DVDには同じく村上春樹原作、山川直人監督による「パン屋襲撃」(1982年。16分/16mm作品)も収録されている。

ほぼ、原作通りの映像化だったが、いかにも自主製作らしい雰囲気だ。モノクロ・フィルムに色セロハン紙を貼って着色するなど、良く言えば手作り感溢れる手法が駆使されているこの映画の製作費は、10万円だったそうだ!100%の女の子を演じるのは「自主映画の女王」室井滋!ラストに流れる佐野元春の「君をさがしている(朝が来るまで)」が効果的だ。

この長い題名の短編は、この頃の村上春樹作品が持つ「青臭さ」のようなものと、1983年当時、自分が抱えていた青臭さがシンクロして、印象深くなったのだと思う。そして、これが低予算自主映画という形態で映像化されていて良かったと、皮肉じゃなくてそう思う。本気でお金をかけて、洒落た映像美で撮ったりしたら、きっと、見るも気恥ずかしい作品になり、大事なものがスポイルされてしまっていたと思う。

唯一、「4月のある晴れた朝」という言葉が「11月のある晴れたカンガルー日和の朝」に言い換えられていたことが、個人的には不満だが、やはり、ええ話である。現在と過去、色々思うことがあり、しみじみ。大森一樹監督による「風の歌を聴け」も、再見したくなった。



経済立て直しのためもあって、色々な規制緩和が進んでいます。例えば、バーのカウンター上のダンスの許可やバンジージャンプ解禁など(←そんなものまで禁止していたのか、と言いたくなるけど)。店のおねえさんが踊るカウンター・ダンスは、地元の男子諸君や白人男性に熱く歓迎されているようにも聞きますが、なんか、個人的にはあまり近づきたくないような。一方、バンジージャンプは、現在、Clarke Quayに逆バンジージャンプの設備が建設中らしい。これまた、個人的には近づきたくないかも。

どうも、これだっ、と言う決定打が無いのですが、是非、多くの人にシンガポールを訪れていただきたいと思う今日この頃です。冬になってSARS騒動が再発する前に…