IN/OUT (2003.9.14)

毎年恒例、定期健康診断に行ってきました。怪しい日本語で指示を出すレントゲン技師も、私の顔を覚えてくれていて、ああ、何度も通ってるからなぁ、としみじみ(彼の日本語は、まったく上達してないのだけれど…)。このところ、同時多発的に仕事が重なり、不養生気味なだけに、結果も気になるところです。


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"Swimming Pool" (03.9.14)

Charlotte Rampling主演、François Ozon監督の新作を観てきた。監督はフランス人で舞台もフランスだが、主な登場人物が英国人の設定なので、セリフの大半は英語である。

Charlotte Rampling様が扮するのはミステリ作家。フランスにある、担当編集者の別荘で一人、執筆に集中しようとするが、そこに自由奔放な編集者の娘が現れて…というストーリー。しばらくは、この世代の違う二人の女性が反発し合う様を中心に話が進むが、やがて物語は奇妙な方向によじれていく。

Ozon監督の演出はとても丁寧な印象だし、ハリウッド大作とは異質の、品の良い写真を思わせる映像も美しい。そして、何よりも、Rampling様の演技が素晴らしい。… のだが、全体としておとなしく、盛り上がりに欠ける作品だと思いながら観ていた。

しかし、ラスト・シーンで、いきなり足場を外され、宙ぶらりんにされたような奇妙な感覚に陥る。単なるどんでん返しとも違う、急に、現実と非現実の境が曖昧になるような、不安定な気分にさせられるのだ。一度観ただけの私には、論理的にきちんと説明するのが難しいオチなのだが、妙に印象に残る映画になった。



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「牢屋でやせるダイエット」 (03.9.13)

中島らも氏の、執行猶予付き判決の後に出版された、いわば「獄中記」を読んだ。

判決後、短時間で一気に書かれたと思うのだが、内容については、がっかりしたとしか言いようが無い。露悪的につっぱって書いたようなところもあれば、殊勝な文章もある。しかし、私が期待していた獄中記は、こんな中途半端なものでは無かった。他の多くのらもファンもそうじゃないかなぁ。このところ、新刊が出るたびにがっかりさせられてきたらも氏だが、今回のガッカリ度は、極めて高い。

新作が出る度に、そのクオリティーに感心させられ、その人のファンであることを誇りに思える小説家やミュージシャンがいる。一方、その作品に出来・不出来の波があっても、文体やリズムがすっかり自分に馴染んでしまっていて、良い・悪いとは別の次元で、なんでも許してしまえる作家もいる。私にとっては、らも氏がまさにそういう対象なので、これで愛想を尽かす、ということはあり得ないのだが、逮捕のニュースを聞いたとき以上の、ほろ苦感を味わう読後となってしまった。



忙しいと言ってる割には、映画を観に行く時間もあるし、通勤電車内で本を読む余裕もある(今週は、他に、P. D. ジェイムス、アイザック・アシモフ、乃南アサを読了)。ま、まだまだ余裕有りということだ。

と言いつつ、来週末をまたぐ出張が入ったので、次の更新は再来週以降になります。