IN/OUT (2003.8.9) |
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先週は、矢野顕子さんの出前コンサートを観に、湯布院に行ってきました。 最近のIN由布院 空想の森[アルテジオ(artegio)] (03.8.3)今回、出前コンサートが開催されるのは、大分県湯布院町にある空想の森[アルテジオ]。美術館を核に、食堂とギフトショップを一体化した施設である。コンサート・ホールのようなものは併設されておらず、美術館のフロアで公演が行われるという。こういう、主催者の熱意が実現させた、一風変わった場所での公演は、まさに出前コンサートの醍醐味だ。 コンサートの前日、湯布院入りし、早速、アルテジオを訪れてみた。想像していたよりも、ずっと小さな美術館だ。実質ワン・フロアだけ。フロアの一方は、図書室になっている。もう一方の二階は、ちょっとしたバーになっている。で、中央部が吹き抜けの展示スペース。ここに、「音楽」テーマにした絵画やリトグラフ、立体作品などが飾られている。 量的には大したことないが、Henri Matisse、David Hockney、Wassily Kandinsky、Andy Warholなどなど、有名作家の作品が並び、「音楽」というテーマに沿った統一感がある。とても居心地の良い空間だ。このためだけに、遠くから来る価値があるかといえば、微妙だが、お近くにお越しの際は是非、というところか。 翌日行われたコンサートの模様は、やのコレを。それにしても、矢野さんは、このような小さな空間で少人数の観客とともにアット・ホームなコンサートを作り上げるかと思えば、New Yorkのジャズ・クラブで凄腕ミュージシャンとライヴ・パフォーマンスを繰り広げ、野外イベントで若手ミュージシャンと渡り合い、大ホールでバンドを従えて緊張感溢れる演奏を見せつける。つくづく幅広い才能と軽快なフットワークを持ったミュージシャンであることよ。 由布院温泉 (03.8.3-4)宿は、離れに部屋を取った。専用の露天岩風呂が付いていて、とても良い感じだ。元々、部屋数の少ない旅館なので、大浴場もそれほど大きくない半露天風呂。両方を二度ずつ堪能。風呂上がりのビールがうまい。ニッポン、素晴らしい、と実感するひとときである。 朝・晩の食事も、大変、結構。料理長は、イタリアに二年ほどいたことがあるそうで、夕食に出たきた、アボガド・トマト・ヤマイモのムース仕立て前菜など、確かに和食でありながら、イタリアンの香りもする。料理の面でも、小さめの旅館を選択して正解だったと思う。贅沢を言えば、秋の紅葉シーズンの方がもっと雰囲気が良かったかもしれない。 ただし、由布院(行政町名は湯布院という表記だが、温泉地として記述するときには由布院の方がしっくりくるような気がする)の町自体は、あまり魅力を感じられなかった。メインの観光地、金鱗湖は、湖というよりは池と言った方がしっくりくる大きさだし、他にも目を引くほどの観光資源は無いように思う(大杵社の屋久杉や、ステンドグラス美術館、岩下コレクション等を訪れた)。じゃあ、町並みが魅力的かというと、私には合わないと思える雰囲気がある。タクシーの運転手氏によると、かつては、自衛隊駐屯地の隊員目当ての飲み屋ばかっりだったところが、観光協会の頑張りで、今日の、若い人にも人気の町になったそうだ。町起こしの成功例としては素晴らしいものだと思うが、いかにも「お洒落観光地」的な、小さな美術館やハンド・クラフトの店などが軒を連ねる様子に、ちょっと、人工的な臭いが強いと感じてしまう。こういうのが好きな人にとっては、実に素敵なところだろうとは思うのだが… 戻ってきたら、シンガポールはNational Day。独立記念日です。今年で38年の若い国。毎年、思うことなのですが、国民が「Happy Birthday, Singapore!」と叫ぶ無邪気な愛国心に、くすぐったいような、ちょっと羨ましいような。 さてさて、夏の矢野顕子強化月間、前半戦終了。後半戦に向けて、ばたばたと準備中っす。 |