日本のホラー映画を観てきた。島内でもかなり多くのスクリーンで上映されていて、私が行った映画館も満員だった。英語と中国語の二つの字幕が付いての上映である。
「リング」のヒット以降、アジアの映画界ではホラーが重要な分野となったようで、タイ、香港、韓国などの作品が、間断無く封切られている。タイのホラー映画などは、新聞にどぎつい死体写真を載せるお国柄だけに、きっと、相当怖いのではないか、と思うのだが、スプラッタ描写はあまり好きじゃないし、聞き取れない外国語映画を、英語字幕を睨みながら鑑賞するのは疲れるので、ほとんど観ていない。しかし、この作品は、ハリウッドでのリメイクが決定したという高評価の日本映画だし、プロデューサーの一瀬隆重氏を応援したい個人的事情もあり、WWWでボタンをボチッとな(インターネットを通じて、映画館の座席予約ができるのである)
いやぁ、ほんと、怖かった。ただ、映画としては、どうなんだろ? 観客を怖がらせることだけに全力集中しているというか、怖いシーンをつなぎ合わせただけというか。このように、ひたすら恐怖の連鎖を描いていくだけというのも「有り」だとは思うが、私としては、感情移入できる主人公がストーリーを引っ張っていき、相応のオチがある「物語」の方が好きである。それにしても、ホラー映画の悪役というのは、大概、理不尽な奴と相場が決まっているが、この映画の幽霊(というか、怨念というか)は、あまりにも迷惑な存在だ。
シンガポール人の反応は上々。場内に何度も悲鳴と笑い声が響き渡った。いや、笑いを誘う面白いシーンなど無いのだが、どうも、観客というのは、怖いシーンで息をのむと、その反動か、照れ隠しなのか、直後に笑い声をあげるらしい。