IN/OUT (2003.6.1)

ついに、WHOの域内感染地域リストからシンガポールが除外されました。

Singapore Arts Festival & The Great Singapore Saleがスタートするのに合わせたかのようなタイミング、政府の深慮遠謀があったのかと、勘ぐってみたり…


in最近のIN

"Mikhail Pletnev Plays Beethoven" (03.05.31)

ロシアの高名なピアニスト、Mikhail Pletnev(ミハイル・プレトニョフ)と、Singapore Symphony Orchestraよる演奏会を聴きに、Esplanade Concert Hallに行ってきた。5月30日から6月22日まで開催されるSingapore Arts Festival 2003の一環としての催しである。

元々、クラシック音楽にはあまり興味が無く、ちゃんとした演奏会に行くことは滅多に無い。しかし、当地での暮らしが長くなると、意識的に色々な芸術に触れないと、どんどん駄目になりそうな危機感があり、Singapore Arts Festivalは、ありがたいイベントなのだ。

ほとんど予備知識もなく行ったわけで、当然と言うべきか、最初の演目、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第一番では、眠気が襲ってきた。続く、ピアノ協奏曲第二番でも、頭の半分では、別のことをぼんやり考えたり…。もちろん、Mikhail Pletnev氏のピアノ演奏は、素晴らしい。ダイナミックな大音量の時も、繊細な小音量の時も、とてつもないスピードでの速弾きの時も、常に、濁りのないクリアな音色を聴かせるというのは、本当に凄い技術だと思う。ただ、どうも集中して聴き続けることができない。

しかし、休憩を挟んで、最後の演目、ピアノ協奏曲第五番「皇帝」になって、俄然、演奏に引き込まれた。私のようなクラシック音楽初心者には、このような耳に馴染みのある曲じゃないと、集中力を保つのは難しいということだろうか。元々、自分の中に基準ができている訳ではないので、この演奏がどの程度のレベルのものなのか分からないし、演奏の良さを表現する語彙も持ち合わせていないのだが、とにかく、最初から最後まで、テンションを維持して完全に音楽に浸りきっていた。終演後は、ロック系コンサートとはまた別の、深い感慨が。ふむふむ。今後、クラシック方面へも少しずつ間口を広げていけるかも。



もちろん、実際には、多くの医療関係者の献身的努力の結果での制圧な訳で、茶化しちゃ駄目ですね。

ただ、世界的に感染拡大が落ち着きつつあるのは、「夏が来たから」いう要因も大きいような気がしないでも無い…。SARSウィルスは、風邪のウィルスに近いらしいので、冬になると、また中国あたりでは大騒ぎになるのかもしれません。その点、常夏のシンガポールは、今回蓄積したノウハウを活かして、油断しなければ大丈夫なのかも。

常夏と言っても、シンガポールにも季節が有るわけで、今は「暑い季節」が終わり、「凄く暑い季節」になったところです。