IN/OUT (2003.4.13)

海外から新たにSARSウィルスが持ち込まれるのを防ぐため、外国人労働者がWHO認定の感染地域へ渡航することに対して、戻ってきたら自宅隔離10日間などの制限が付けられるようになりました(Employment Passのグレード = 実質的には所得水準によって、規則が違う。低いグレードの方が厳しい、というのがシンガポールらしい…)。

新規感染者をこれ以上国外から入れない、という強い意志が感じられる事自体は歓迎なんですが、自分たちも外国人労働者だけに、少々鬱陶しいっす。


in最近のIN

BORDERSを見直す (03.04.12)

書籍とCDとカフェテリアが揃ったBORDERSは、暇つぶしには最適な店で、米国在住時にはずいぶんとお世話になった。シンガポールに来て、Orchardに出店していることを知ったときには喜んだのだが、やがて、書籍は紀伊国屋書店、CDはHMVやTower Recordsに行くことが多くなり、最近はすっかりご無沙汰していた。

久しぶりに行ってみたのだが、驚いたのがCDの試聴機だ。普通のCD屋にあるものは、あらかじめ選ばれたCDがセットされている。店が売れ筋と思った商品が、一台につき 5枚ぐらい聴けるだけである。自分が聴いてみたいと思うCDがセットされていないことの方が多いし、聴いてみたいCDでも、その試聴機を他の人が使っていたら、終わるまで待たなければならない。

しかし、BORDERSの店内に豊富に置かれている試聴機にCDはセットされていない。その代わり、店内のネットワークに接続されているようだ。聴いてみたいCDを商品棚から選んで、そのバーコードを読み込ませるだけでOKなのである。おそらく、在庫・売り上げ管理用のバーコードを作成するときに、同時にCDの内容をサーバーに格納しているのだろう。マイナーと思われるようなアルバムでも、かなり高い確率で試聴できる。CD内のトラックは全てデータ化されているようだが、各曲フルコーラスではなく、1分ぐらいずつのようだ。もちろん、試聴なんだからこれで十分である。 これ、すっごい画期的だと思うのだが、もしかしたら他の店にもあるのだろうか?少なくとも当地のHMVやTower Recordsでは見たことがないのだが。

因みに、HMVなどが、ローカルのCDショップと同様、ミュージシャンの読み通りの順、つまり、一般的な欧米人名なら名前・姓の順で、CDを整理しているのに対し、BORDERSは姓・名の順になっている。例えば、"Kate Bush"なら、他のショップでは"K"の棚にあるのに対し、BORDERSでは"B"の棚になる。"Yano Akiko"なら、"Y"の棚である。この辺のこだわりも、好ましく感じられたりする。



BORDERSのバーコード対応ネットワーク試聴機に負けずサイバーなのが、4月10日から実施された、SARS対策における自宅隔離の徹底です。

SARSの発生が確認された当初から、感染者と身近に接していた人などは、当局から自宅隔離を通達されていました。この隔離期間中の外出は禁止で、毎日保健省の人の訪問を受け、経過観察されます。こういった厳しい対策が、香港のような大規模な感染になっていないことにつながっていると思うのですが、最近になって、自宅隔離中に外出しちゃったケースが見つかったのです。

結果、より強化された自宅隔離策の実施となりました。対象者の家、全てに、警備会社がネットワーク接続された「電子カメラ」を設置します。対象者は、毎日、アトランダムな時間に呼び出しを受け、その際には、すぐにカメラに自分の姿を映すことが求められています。

さらに、自宅隔離を破ったのがばれると、今度は、手首に「電子タグ」が取り付けられます。自宅を離れたり、タグを壊そうとすると、こいつが自動的に当局にアラームを発信するのです。凄い、というより、怖っ!。因みに、この自宅隔離制度に対する違反には、10,000ドルの罰金刑だけでなく、半年以内の懲役刑も適用される可能性があります。

シンガポール、恐るべし。