IN/OUT (2002.6.30)

香港側がどう捉えているのか分かりませんが、シンガポールは香港を非常にライバル視しています。以前も書きましたが、様々な規制や法規、税務基準など、他国からの投資の判断で不利にならないよう、香港並にしておこう、という意図があちこちに見受けられます。もっとも、その香港も、今では上海など中国本土の大都市との競争でかなり疲弊しつつあるようですが。


in最近のIN

Ocean Park (02.6.29)

香港出張のついでの土曜日、香港島の南側に87万平方キロの広さを誇る娯楽施設、Ocean Park(香港海洋公園へ行って来た。

香港島の南側に行くのは初めてだったが、MTRのAdmiralty駅前からOcean Park行きのバスが出ているので、迷うことなく、簡単に到着。かなり急な山の斜面に作られた施設で、麓の部分と上の部分はケーブルカーで結ばれている。また、長距離のエスカレーターも設置されている。普通に考えれば、遊園地を作るにはまったく不向きな場所だ。しかし、その歩きにくさや見通しの悪さが、かえってハイキング気分を醸しだして、遊園地としての非日常感を煽ってくれるようにも思う。

とりあえず高いとこ、ということで、展望台「Ocean Park Tower」に登る。それから、一番の目当ての水族館「Atoll Reef」を見学。中央に巨大な水槽が設置してあり、観客はその周囲の螺旋状の通路を徐々に下っていくという形式だ。大きな魚も多く、見応えはあるのだが、規模的にも展示の工夫面でも、やや物足りない。

もう一つの目当ては、ジャイアント・パンダ。Ocean Parkは動物園では無いのだが、二頭のパンダが飼育されている。冷房の効いた広い飼育舎は、観客との間に檻やガラスが無く、かなり間近に観察することができる。雌の方は寝たままだったが、雄のパンダは食事中の姿を楽しむことができた。あの、べたっと座りこんで竹を食べる姿は、野生動物にしては、あまりにも不用心な感じだが、やはり愛らしい。

この他にも、「Dinosaur Discovery Trail」だの「Butterfly House」だの「Goldfish Pagoda」などの施設も観たが、それほど凄い、という訳でもない。全体のイメージは広くて楽しい遊園地なのだが、個々のアトラクションを冷静に観れば、結構、しょぼい物が多い。そういう意味では、シンガポールのSentosaと似ている。絶叫マシン系の乗り物の存在ではOcean Parkの勝ち。水族館の見応えではOcean Parkの辛勝。あちこちに、ほころび見える貧乏くささで引き分け。オリジナル・キャラクターの不細工さが逆効果でOcean Parkの負け。という感じだろうか。因みに、オウムなどの鳥が芸を見せるショーを観覧したが、これはシンガポールのJurong Bird Parkでのショーの足下にも及ばない低レベルのものだった。ということで、他の観光施設も動員すれば、シンガポール側にも勝ち目が出てきそうだが、結局、ジャイアント・パンダの大技一発で、Ocean Parkの圧勝、という結果になりそうである。



それにしても、香港は暑かった。年間の平均気温はシンガポールの方が高いけれど、瞬間的な不快指数なら香港の方が厳しいと思われます。その時期に坂道だらけの遊園地に行くのは、我ながらいかがなものか、と考えたりもする今日この頃です。