IN/OUT (2002.6.2)

当地の流行の一つに、ライン・ダンスがあります。

ライン・ダンスと言っても、おフランス風、あるいは宝塚風のものではなく、アメリカ発祥の"Country Line Dance"。上半身の動きは小さく、ステップ自体も単純なように見受けられます。社交ダンスのようにペアを組むのではなく、ソロ・ダンス。音楽は、基本的にはカントリー・ミュージックが中心ですが、より一般的な英米ポップスで踊ることも多いようです。

で、どこで踊るかというと、公園やショッピング・モール前の広場。わが家近くの駅前モールでも、毎週土曜の夕方、カントリー・ウェスタン調の衣装に身を包んだ100人近くの老若男女大集団が踊っています。みんなで一緒に同じ動作、というのが苦手な私からすると、ちょっと、不気味ですらあります。あの、微妙なダサさ加減は、伝えるのが難しいんだけど、かなり、寒い。


in最近のIN

"Panic Room" (02.6.2)

David Fincher監督、Jodie Foster主演の映画、遅ればせながら観てきた。David Fincherの作品は、出世作となった"Alien3"を観て非常に失望してしまって以来、ついつい敬遠していた。しかし、Jodie Foster様の主演とあっては、観ない訳にはいかない。

前評判から、窮地に立たされたヒロインが機転を効かせて危機を脱するサスペンス物かと思っていた。確かに、一見、そのようなプロットだが、実際のところは、もっと皮肉な筋立てだった。ネタばれ的な言い方になるが、後半は、完全に攻守が入れ替わる。ヒロインがバイオレンスに目覚めるというか、取り憑かれるところを描くことが、Fincher監督の目的だったように思える。病気の子供を守るため、というハリウッド的な言い訳こそ用意しているが…。

もう一つ意外だったのは、場内が笑いに包まれるシーンが多かったこと。決して、ベタなギャグがある訳ではないが、なかなか良い感じの笑いのセンスだ。やはり、監督は、単純なサスペンスにしたくはなかったようだ。

最初はNicole Kidman主演で撮影が開始したということだが、彼女だと、かなりニュアンスの異なる映画になったんじゃないかな。Jodie Fosterに主役が変更になって、結果的には正解だったと思う。

映画の冒頭は、これ見よがしの、凝ったアングルと画面切り替えのリズムが鬱陶しかったが、徐々に気にならなくなる。むしろ、効果的だと唸るシーンが増えてくる。まあ、Jodie様がアップになるカットが多いのだから、どうしたって、好意的に観てしまうのであるが。



確か、中国では、「パラパラ」が流行で、やはり、広場でおじさん・おばさんの集団が踊っているというのを聞いたことがあります。簡単な振り付けをみんなで踊るというのが、万国共通の楽しみなのは分かるけど、シンガポールで、なぜ、ウェスタン風?

来週は、所用で更新できないかも。