IN/OUT (2001.12.2) |
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先週は、芸術鑑賞強化週間として、ダンス・パフォーマンス 2本とミュージカル 1本を鑑賞する予定だったのだけど、一番楽しみにしていた "Porgy And Bess"は、結局、急遽入った残業のため、見に行けませんでした。このミュージカル、日本でも、見に行くつもりにしていたのに、予定が折り合わず、諦めた記憶有り。縁が無いと言うべきか、とにかく悔しい。 しかし、来週のことがあるので、文句も言わず、粛々と残業した訳ですが。 最近のIN"Spy Game" (01.12.2)Robert RedfordとBrad Pitt、新旧二大おっとこまえスター主演のスパイ映画。監督がTony Scottだけに、かっこよくならないはずがない、という作品である。 予備知識から、窮地に陥ったBrad Pitを、定年退職を目前に控えたRobert Redfordが救出に向かうアクションかと思っていたのだが、もっと、ひねった物語だった。やや冗長なきらいはあるし、米国の諜報機関は、ほんと、他国でも自己本位な行動を取るよなぁ、と辟易する部分も多いのだが、予想以上に、渋く、かっこいい展開である。 Tony Scott監督の絵作りは、いかにもかっこつけました、というものではあるけど、 Jerry Bruckheimerあたりが使いそうなMTV上がりの若手監督に比べると、どこか上品さがあるように思う。で、何より、ラストの、感傷的に流れすぎない憎い演出が、「男の映画」という感じで、ぐっとくる。個人的には、あまり二枚目と思えなかったBrad Pittだが、この映画では、ちょっと見直した。Robert Redfordともども、単純中身無しのおっとこまえスターとは一線を画しているという感じだ。 "Les Ballets Jazz de Montréal" (01.11.26)ダンス・パフォーマンスを観に、Kallang Theatreへ行って来た。 名前からして、カナダに本拠地を置く団体のようだが、総勢12名のダンサーの出身地は、カナダだけでなく、米国、メキシコ、ジャマイカ、フランスなど多岐にわたっているようだ。うーん、ダンスに関しては門外漢なので、これがどういうジャンルのダンスなのか、どのような言葉で表現したらよいのかよく分からないのだが、とにかく、予想以上に楽しめた、というか、鳥肌ものの印象強さだった。 アイリッシュ・トラッド・ミュージック、ジャズ、ブルース、パーカッションだけの前衛的な音楽など、様々な音楽をバックに、クラシック・バレエ調の動きもあれば、ヒップ・ホップ系のダンス、あるいは暗黒舞踊を思わせるような動作もある。抽象と具象、前衛的な動きとユーモラスな仕草のバランスが良く、決して難解にならないところが、私のようなダンス音痴にも楽しめる。鍛え抜かれた肉体が見せる、信じられないようなスピード、バランス、物理法則を無視しているとしか思えないような動きなど、まさに息を呑む。呑みっぱなしである。 最近のOUT"B-Ballet" (01.11.28)"modern dance from a classical position"との副題が付いたダンス・パフォーマンスを観に、Jubilee Hallへ行って来た。 これは、Nanyang Academy of Fine ArtsのDance Departmentで講師を務めるJoey Chuaを中心とし、シンガポールだけでなくアジア各国からダンサーが集まったプロジェクトである。タイトルにあるように、クラシック・バレエの動きに基礎を置きながら、アジア的な所作を加えたパフォーマンスだ。坂本龍一や鼓童の音楽も使われている。コンピューターのモニター画面をスクリーンに投影したり、照明に工夫を凝らしたりもしている。 しかし、その前に観たLes Ballets Jazz de Montréalの印象が強すぎたのか、あまり感銘を受けるほどのパフォーマンスでは無かった。アイディアは面白くても、もうひとつ肉体が追いついていないという感じなのだ。もちろん、日頃の鍛錬が伺える動きではあるのだけど、いまいち詰めが甘く、決まらない、という印象だ。思わず息を呑む瞬間、というのが少ないのである。結果、良い意味で商業主義的エンターテインメント性を取り込んだLes Ballets Jazz de Montréalの懐の深さが、一段と素晴らしく思えてきた。 全体として、学生の発表会のような雰囲気ではあったのだが、日本人参加者 Mayuna Shimizu嬢はさすがに国際的に活躍している人だけに、唯一、突出したキレの良さで、見応えのあるパフォーマンスを披露してくれた。小市民的リアクションだけど、日本人として、こういうのは嬉しい。 因みに、Jubilee Hallは、Raffles Hotel内にある小規模なコンサート・ホールで、歴史ある雰囲気が良い感じである。ここに矢野さんの出前コンサートを呼ぶというのが、シンガポールに来て以来の野望なのだが… ということで、矢野顕子強化週間突入。コンサート追っかけモードに入るので、次週以降しばらくは、更新が不定期になると思われます。各所に迷惑をかける期間でもあるのですが、何年も続けてくると、大分、面の皮が厚くなってきたと自覚する今日この頃です。 |