IN/OUT (2001.10.28)

シンガポール在住の知人から、「某日本人歌手の台湾製CD」の購入を頼まれました。日本に住んでいる家族から頼まれたと言うことで、台湾に出張する機会のある私に話を持ってきたとのこと。日本盤と内容自体は同じらしいので、いわゆるコレクターズ・アイテムというやつでしょう。

残念ながら、当分は台湾に行く予定はないのだけど、依頼のCD自体は、当地でも入手可能で、すぐに一枚探し出すことができました。ここでは、HMVやTower Recordsといった外資系大型店に置いてある日本音楽のCDは、たいがい日本からの輸入盤。一方、怪しい安売り店で売られているのは、台湾製なのだけど、どう考えても権利関係をクリアしているとは思えない編集物(タイトルの日本語表記がヘンテコになっているから、絶対バッタもん)。依頼のあったような、正規の台湾盤というのは、その中間、良い頃合いの地元CD屋に行けば見つかるものです。日本盤に比べると値段が安いんですよね。


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Imperial Herbal Restaurant (01.10.24)

Metropole Hotel(漢字だと、京都大酒店)内にある薬膳料理屋に行って来た。

この手の店は初めてだったので、もっとゲテモノ系が出てくるのかと思っていたが、それほど変なものは出てこない。せいぜい、サソリの唐揚げ(小さいサソリなので、別に食べにくくは無い)と、各種精力剤原料系が漬け込まれたお酒ぐらい。後は、普通にスープや、卵、魚や野菜。

結局、普段食べている食材にも、いちいち、「これは眼に良い」「これは腎臓に効く」などと効能を付けることで、なんだかありがたいような気がしてくる、というのが正解のようだ。中国語で「坊さんが壁を飛び越えるスープ」という意味のスープがあるのだが、他の店では
「あまりのおいしさに、お坊様も壁を飛び越える」
と説明されるところを、この店では
「これを飲むと精が付いて、お坊様も壁を飛び越える」
と言われる(おいしかろうが、精が付こうが、スープを飲んだぐらいでわざわざ壁を飛び越えてみせる坊さん、というのは、宗教者として大丈夫なのか?)。一事が万事、その調子である。

もちろん、油まみれの高コレステロール中華よりは体によいのは確かだろう。味付け自体、とてもちゃんとした料理で、薬膳という要素を抜きにしても、広東料理に飽きた人にはお勧めできそうだ。



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"Battle Royale" をシンガポールで観る (01.10.27)

当地でも、深作欣二監督の「Battle Royale」がRA指定付き公開された。観客のリアクションに興味があり、見に行ってみた。

観客の入りは上々。場所柄もあったのか、Fukasaku / Kitano の名前故か、西洋人の客も多い。しかし、映画が始まってみると、案の定、日本人とは違うタイミングで笑いが起こるのが面白い、というか、ちょっと悲しい。この荒唐無稽な物語は、荒唐無稽なままで押し切れば良いと思うのだが、深作監督は、中途半端なセンチメンタリズムを加えすぎだと思う。センスの悪い音楽の使い方と相まって、外国人には入り込めない部分が多かったように見受けられた。

特に、私も違和感を覚える教師キタノの設定については、役者としての「ビートたけし」に対する共通認識ができあがっている日本だからこそ、好意的に捉えた論評が多かったのだと思う。当地の観客には、彼の存在そのものが、何かのギャグのように受け止められていたみたいだ。



CD屋では、シンガポール(もしくはアジア地区)企画と思われる編集物のCDがよく売れているようです。ヒット曲が集まっていて、お得感が高いのが、当地の人にアピールするのでしょう。私も、ついつい、80年代のニュー・ロマンティック関係の編集物を買ってしまいましたが、編集も雑だし、音質も悪い。やっつけ仕事で作ったCDという雰囲気プンプンでした。果たして、あの台湾製日本音楽CDはどうだったのだろう?