IN/OUT (2001.9.23)

年に一回の健康診断@日本人会クリニック、に行って来ました。三回目ともなると、怪しげな日本語のレントゲン技師にも、駐在員ファミリーが検査着で集う待合室のちょっと変な空気にも慣れました。


in最近のout

「案山子」 (01.9.22)

当地で公開中の日本映画(香港資本も出資)。本当は、日米に遅れ、ようやくこちらでも公開され始めた「A.I.」を観ようと思い映画館に出かけたのだが、Kubrickの世界を中途半端に模倣したSpielberg映画という悪評が気になって、なんだか腰が引けてしまったのだ。ネット上には、Kuburickのオリジナル・ストーリー案と、Spielberg作品のストーリーの比較が出回っている(真偽のほどは定かでないが)。ラストがKubrick版のままなら、是非とも見たかったのだが…

ということで、日本製の恐怖映画を観ることに心変わり。香港やシンガポールにおける「リング」の大ヒットで、日本製ホラー映画に注目が集まった結果、この作品は香港資本が出資、最初からアジアでの公開を視野に入れての製作となったようだ。果たして、場内はシンガポールの若者で満席。しかし、映画が始まってみると、自分が日本人であることが恥ずかしくなるような、実に何ともひどい映画で、ここまでの駄作を観たのは何年ぶりか、というぐらいのつまらなさだった。

テンポの悪い演出、センスの無いカメラ・ワーク、ダサダサの音楽、安っぽい画質。さらに、登場人物達の行動が、あまりに意味不明。主役が、もっと若い女の子の設定なら、その心情も理解できるが、車の免許を持っていて化粧もしているという年齢であの行動されたんじゃ、観ている側が感情移入できない。アジア市場を睨んでか、香港のアイドル Grace Yip嬢も出演しているのだが、このストーリーで中国人留学生が登場するというのは、必然性以前に、あまりにも不自然すぎ。りりィや河原崎建三といった人達は熱演しているのだが、枠にはまりすぎの演技。

と、悪口を言い出せば止まらないほど、つまらないと言うよりは、観ていて腹が立つ映画だったのだが、最大の欠点は、「案山子」そのものだ。案山子ですよ、カカシ。わらでできた。それが、Zombiのように動く。って、ギャグですか?

確かに場内は満員だった。しかし、ホラー映画にも関わらず、上映中は悲鳴はいっさい聞かれず、しばしば爆笑(苦笑?)に包まれていたことを、この映画の製作者に知らしめたいものだ。



そして三回目ともなると、検査の後でもらえる日本食レストランでの昼食用食券をすっかり心待ちにするようになってしまいました。朝から、今年もメンチカツ定食だ、と楽しみに出かけたのに、食堂では間違えて和風ハンバーグ定食を運ばれて、落胆。我ながらそのがっかりぶりに、自分のせこさが増大していることを実感し、ますます落胆する今日この頃です。