Ry Cooderの尽力で完成したアルバムと、Wim Wendersの映像で世界中の耳目を集めたBuena Vista Social Club。それによって、一気にメジャーになった、キューバの女性歌手 Omara Portuondoのコンサートを観に、Singapore Indoor Stadiumへ行ってきた。
実のところ、Wim Wendersの映画には苦手意識があり、Buena Vista Social Clubは未見なのである。しかし、娯楽の乏しい当地にあって、とりあえず有名な外国ミュージシャンの来星公演があると、すぐにチケットを取ってしまう癖がついてしまった。今まで一度も彼女の歌声を聴いたことが無いのに恐縮だが、前から3列目の非常に良い席での鑑賞となった。因みに、アリーナ前列あたりの大半の席は、何かの会員様ご一行がまとめて確保したみたいで、周囲は、いかにも金持ち然とした人達の社交の場と化していた。そんな中、Tシャツにサンダル履きで出かけてしまい、ちょっと浮き気味。昔は、コンサートに行くとなると、それなりに着て行くものにも気を遣っていたのだが....
米国でのテロ犠牲者への黙祷が捧げられた後、定刻の30分遅れで開演。ステージ上には、ホーン・セクション 6人。パーカッション 3人。ウッドベース、ピアノ、ギター 各1人。そして指揮者という編成のバンドが上がり、マンボのリズムを奏でる中、Omaraの登場。彼女は、1930年生まれの71歳。すっかり体の柔軟性や敏捷性が衰えているようで、妙にぎくしゃくした動きが、心配を誘う。しかしながら、その歌声は、声量といい、声の艶といい、素晴らしいものだった。
バンド・メンバーが"Omara Portuondo!"と名前を紹介する度に、"Sexy!!"と付け加えるお約束ギャグを交えながらの2時間。マンボにチャチャチャ、さらにはGeorge Gershwinの作品と、耳になじみのある曲も多く、予想外に楽しむことができた。
彼女は、ビッグ・ステージ慣れした大物エンターテイナーなどとは異質の、しかし、強烈なオーラを放っていた。こういう人が埋もれていたというのだから、世界の音楽シーンは奥が深い。Wendersの映画を見てみようか、という気にさせられた。
元々、蒟蒻ゼリーは、当地で結構人気があるようで、あちこちで売られています。一方、食材としてのコンニャクをローカルのスーパーなどで見かけることは滅多にありません。おそらく、多くの人は、蒟蒻というのは日本のお菓子だと思っているに違いない。