IN/OUT (2001.8.26)

Suntec Cityで、母校のロゴを付けたチアリーダーに出くわしました。どうやら、サッカーの韓日ワールド・カップ関連の、ケーブル・テレビ会社によるプロモーション・イベントに、日本側代表みたいな立場で出演していたようです。我が母校、サッカーの強豪校という訳では無いのに、どういう経緯で呼ばれたのか不明ですが、異国の地で後輩の活躍を見かけるのは、こそばゆいものです。


in最近のIN

コーデリア・グレイ (01.8.26)

P. D. Jamesのミステリに登場する女性私立探偵の名前である。彼女が初登場する「女には向かない職業」は、現代本格ミステリを代表する名作と知っていたのだが、同時に、重厚な文体で読みづらい、という話も聞いていたため、いままで手を出していなかった。しかし、いしいひさいちの「女(わたし)には向かない職業」を愛読しているのに、タイトルの元ネタである作品を読まないのは失礼と考え、ようやく手に取った次第。結果、一気にはまって、彼女が登場する第二作「皮膚の下の頭蓋骨」も続けざまに読了。

本格派ミステリに登場する名探偵というのは、非人間的なキャラクターが多い。古典的名探偵、ホームズにしろ、ポアロにしろ、並はずれた推理力の持ち主であることを強調するためか、いささか現実味のないキャラクターだ。初代名探偵と言うべきオーギュスト・デュパンの呪縛だろうか。ゲーム的に読むには、そうした奇矯なキャラクターは楽しいが、やはり、現代を舞台にした現実味のある作品では無理がある。

それに引き替え、コーデリア・グレイは、実に人間的魅力に溢れた人物だ。苦境にあっても、誇り高い無垢な精神を失わない姿は、凡百のハードボイルド系の探偵が軟弱者に見えるほどの気高さである。しかし、決して超人的なスーパー・ヒロインと言う訳ではない姿が共感を誘う。二作とも、噂通り重みのある文章で、しかも、単純に謎が解けてハッピー・エンドという終わり方ではない。邪悪というものを正面から見据えた純文学という趣だ。しかし、コーデリアに対し、全面的に感情移入しながら読み進められるので、それほど重苦しさを感じることはない。謎解きミステリとして考えると不満な点もあるのだが、とにかく主人公の魅力と、単純謎解きゲームを越えた地平を目指す作者の意気込みに圧倒された二作だった。


"Rush Hour 2" (01.8.25)

この夏、Box Office一位を獲得し、Jackie Chanの米国での人気を確かなものにした新作。さすが、中華圏の大スターだけに、映画館は満員。英語と広東語の両方が分かる観客が多いせいか、場内のリアクションが非常に良いのが、興味深かった。

映画そのものは、アクロバティックなアクション・シーン、ミステリアスな美女、いささか唐突なお涙頂戴エピソード、ラストのNG集と、見事にJackie Chan主演作である。良くも悪くも、それだけ。楽しかったけど。

彼のアクションは、万国共通で人々を楽しませることができる一級の物だけに、もっと若く、体のキレが良かった頃に本格的米国進出できていれば良かったと、しわの増えたJackieの顔を見ると思ってしまう。TVシリーズ"Martial Law"で、米国の人気者になったSammo Hung Kam-Bo(日本だと、いまだに"デブゴン"と言った方が通りが良いか)も然り。もっとも、アクションという「売り」がある限り、一定のポジションをハリウッドでも維持できるだろう。その点、本作で悪役を演じていたJohn Loneは、最近では出演作に恵まれていないように思う。

あと、超個人的感想としては、Jackieの声が石丸博也じゃないのが(当たり前だけど)残念だった。


Spoon (01.8.26)

East Coast Roadにある、小洒落たビストロ。日曜のブランチというのを紹介してもらった。

B.L.T.サンドイッチを食べたのだが、シンガポール風にアレンジされていない、真っ当なB.L.T.で、感心した。そのせいか、店内には白人の客が目立つ。和食や洋食の店で、中華系シンガポール人を見かけないというのは、そこの料理が美味しいことを間接的に証明する要素かもしれない。周囲は、いわゆる観光客向けのエリアから離れた地元の繁華街と言うべき所だが、このような店があるとは侮れない。店内の雰囲気も明るく良い感じなのだが、BGMの選曲の統一感と音響設備にもう一工夫欲しいところではある。



私の在学中は、応援と言えば、むさ苦しい男子学生主体の「団」が行うものでした。当時、応援団関連のイベントを手伝う機会がよくあったのですが、あれがチアリーディングのお手伝いだったら、我が学生生活にさらなる潤い(もしくは煩悩)をもたらしてくれていただろうに。生まれてくるのが早すぎたか

もっとも、巨大な団旗を翻し、ライバル校を「突いて突いて突きまくる」応援合戦は、あれはあれで、とても楽しかったのだけど。

来週末は出張のため、次の更新は再来週以降になります。