IN/OUT (2001.7.21)


そろそろ、8月9日のNational Day Paradeの準備が目立つようになってきました。ポスターが貼られたり、テーマソングが流れたり、戦闘機が訓練飛行していたり。狭い国土に多民族を抱え、周囲をイスラム国家に囲まれたシンガポールにとって、国民に「愛国精神」を植え付けることは重要課題で、その象徴たるパレードは、なかなかに派手なものらしいです。

しかしながら我が勤務先は、この祝日に合わせて社員旅行に行くのが通例となってしまっているので、まだ、実際に見たことが無いのです。今年も駄目なんだな。


in最近のIN

いしいひさいち二冊 (01.7.20)

紀伊国屋Book Webで日本から取り寄せた2冊。「女には向かない職業2」と、「となりの ののちゃん」。ともに、いしいひさいち氏の「となりの山田くん / ののちゃん」絡みの漫画である。

スタジオジブリによるアニメ映画「ホーホケキョ となりの山田くん」は、私が敬愛する天才二人、いしいひさいち原作、矢野顕子音楽、ということで大期待の一作だった。しかも、お気に入りのキャラクター「藤原先生」の声を、矢野さんが担当するという。しかしながら、できあがった映画は、私としてはあまり満足のいくものではなかった。いしいひさいち氏のドライな部分が好きなのに、高畑監督が前面に押し出したのは「ほのぼの感」。そこに違和感を持ったのが大きな理由である。(割にたくさんの人が、矢野さんの音楽を「ほんわか」と評することに対して抱く違和感と同じだ。そういう側面もあるだろうが、私が彼女の音楽から強く感じるのは、厳しさあふれるプロフェッショナリズムである。「ほのぼの」とか「ほんわか」なんてキーワード、好きじゃない。

まずは「女には向かない職業2」。小学校の先生から推理小説家になった藤原先生を主人公にした作品集の第二弾だ(第一集は既に購入済み)。いしいひさいち氏自身、相当愛着を持っているキャラクターのようだ。第一集に比べ、推理作家としての描写が少ないのが、ちょっと残念。

「となりの ののちゃん」は、「いしい被災地」原作、「アサヒ新聞」連載の漫画を「スタジオゼロリ」がアニメ映画化したという設定でのメイキング本のよう体裁になっていて、そこここに見え隠れする、毒を含んだいしいひさいち氏の本音が楽しめる。「ホーホケキョ となりの山田くん」で溜まった違和感を解消するのは、やはり、この毒である。



ということで、日曜の朝から香港へ出張に行くので、早め & 短めに更新。

それにしても、Cathay Pacificの労使紛争のために、果たしてスケジュールしたフライトが飛ぶのかどうか、いまいち不安ではあります。以前も、この航空会社のストにぶつかったことがあったっけ。SQより運賃が安いので、香港行きにはCathayを使うようにしているのだけど、こうもしょっちゅう労使紛争があると、色々と不安にもなる今日この頃です。