IN/OUT (2001.5.13) |
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先週の日曜、香港で驚いたのは、町中にいるフィリピン人の出稼ぎメイドさん達の多さでした。日曜日は雇用先から休みをもらう(というか、家から出されてしまう)ので、繁華街や公園のあちこちにビニールシートを敷いて、ラジカセやお菓子を準備して、友達同士しゃべりながら一日を過ごしているようです。それにしても、さすが人口密度の高い香港だけに、メイドさんの数も半端じゃなかった。 最近のINBig Splash (01.5.9)East Coastの方にある海鮮料理屋。店に入ると、まず、生け簀に入っている魚介類を選んで、調理法を指示する、という形式。 香港やタイにもこうした形式の店がある。それらに比べると、選べる魚介類の種類があまり多くなく、ぱっとしない。味の方も、とりたてて素晴らしいということも無い、というのが、これまで何度か来てみての印象だった。 しかし、今回食べたチリ・クラブについていたガーリック・トーストには、感心。チリ・クラブというのは、大ぶりのカニをチリソースで炒めた料理だが、カニ本体よりも、ソースをパンに付けて食べるのがおいしい。せこい店だと、チリ・クラブとパンだけで客が満足してしまって、他の物を注文しなくなる、という理由で、パンを付けてくれないところもあるぐらいだ。で、今回、ついてきたガーリック・トーストは、その香ばしさ加減といい、チリソースとの相性といい、今まで食べた中ではベスト。観光客向けの店といって侮ってばかりもいられないようだ。 「ハイペリオン」 (01.5.12)20世紀SFの金字塔とも評される、Dan Simmonsの長編小説。前々から、興味を持っていたのだが、その分厚さに腰が引けていたのを、ついに手に取った。 全体を通したストーリーの中に、7人の登場人物がそれぞれ語る物語が組み込まれるという、二重構造になっている。この各人の物語が、それだけで一編のSF長編になりそうなアイディアに満ちている。そして、それぞれ雰囲気の違うそれらの物語を通して、徐々に大きな状況が明らかになってくる、という訳で、作者のストーリーの構築力はすごいものである。 ただし、文体というか語り口は、幻想文学的なところもあって、私の苦手とするところだった。分厚い上・下巻を読み通すには、かなりの辛抱も必要だったが、徐々に見えてくる謎の正体を考え出すと、途中で止めることもできなかった。 しかしながら、この小説は未完なのである。ここで提示された謎が全て解き明かされるのは、続編のこれまた分厚い「ハイペリオンの没落」、「エンディミオン」、「エンディミオンの覚醒」の三作品を読破した後である。当地の紀伊国屋で続編を見つけることはできず、残り全て、Kinokuniya Book Webにて、速攻でクリックしてしまった。 シンガポールでも同様で、日曜日には、出稼ぎ労働者の方々が町に繰り出しています。出身国毎に縄張りと言うか、集合する地域が決まっているようで、フィリピン人のメイドさん達が集まるのはOrchard Road。日曜日のこの通りは、地元民よりも、フィリピン人の方が多いように見えます。シンガポールで一番有名な繁華街だけに、日本からの観光客も多いのだけど、日曜日にここを訪れた人の中には、フィリピン人の顔立ちを「ああいうのが典型的なシンガポール人の顔」と勘違いしたまま帰っていく人も多いそうです。 |