IN/OUT (2000.12.20)
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矢野顕子さんが出演するコンサートを観に、また、日本へ行って来ました。


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「KENJI SHOCK」  (00.12.17)

1998年11月に急逝されたギタリスト、大村憲司氏のトリビュート・コンサートを青山劇場にて観覧。出演は、憲司氏ゆかりのミュージシャン、高野寛 / 遊佐未森 / 渡辺香津美 / 大貫妙子 / 近藤房之助 / 徳武弘文/ 高橋幸宏 / 矢野顕子 / Char / 柳ジョージ / 高水健司 / 中村哲 / バカボン鈴木 / 村上“ポンタ”秀一/ 小原礼 / 沼澤尚 /浜口茂外也らの各氏に加え、憲司氏の息子さん、大村真司さんもギタリストとして参加。

大村憲司氏のギタープレイは、矢野さんのライヴやCDで何度も耳にしていた。速弾きのようなけれんみのあるテクニックを見せつけるというタイプじゃなかったと思うが、音色や音のタイミングが絶妙で、聴いていて思わず嬉しくなるようなフレーズが多かった。彼のトリビュート・コンサートに、豪華ミュージシャンが参加、ということで、期待するところの大きいライヴではあったが、それだけのために日本往復(先週も行ったばかりなのに)、というのは、散財だと思いつつの再訪日である。

が、コンサートが終わってみれば、こりゃ、まったく散財なんかじゃなかった。基本は、各人二曲ずつ担当し、最後に憲司氏の作品を数曲セッション、という構成だったが、どこもかしこも見所ばかりだった。特に印象深いところを挙げるなら

  • 高橋幸宏氏のドラムスとリードヴォーカルに、矢野さんのピアノとコーラスが絡んだ「Radio Junk」。憲司氏や矢野さんが参加したYMOのワールドツアーでのナンバーだ。まさか、今、ライヴで聴けるとは。
  • 矢野さんによる「また会おね」。バックは、高橋幸宏氏のドラムスと小原礼氏のベースのみ。これは、憲司氏が大好きだったという矢野さんのナンバーだが、今回の演奏では敢えてギター抜き。それが、憲司氏の不在を際だたせるという、心憎いアレンジだった。それにしても、幸宏 & 小原のリズム隊は、やっぱり良いわ。昔も今も、一番好きな組み合わせだ。
  • 渡辺香津美氏の超絶技巧ギターソロ。上手すぎ。

だいたい、この三つだけで、十二分に元は取れたという感じだが、他の楽曲も名演ばかり。矢野さんは、ソロで「BAKABON」も披露し、また、高橋幸宏氏の「春がいっぱい」や大貫妙子氏の「新しいシャツ」でもピアノを担当。Char氏のバックや大村真司さんをフィーチャーした演奏でもバックを務めていたが、バンド・マスターではなく、バック・ミュージシャンの一員としての矢野さんのプレイを観るのは久しぶりだった。これがまた、いつ練習したのかと思う、的確なサポート。他の参加ミュージシャンにしても、決してリハーサルを重ねるだけの準備時間があったとは思えないのだが、全員がクオリティの高い演奏で、プロ・ミュージシャンの凄さを実感するとともに、その演奏の原動力であっただろう憲司氏への皆の思いを垣間見た気がする。

亡き父の作品を、ベテランミュージシャン達と共演し終えた真司さんが、皆と握手・抱擁を交わすラストには、こちらもホロリとしてしまい、つくづく良いコンサートであった。


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Annual Dinner & Dance Party  (00.12.15)

年末恒例、シンガポール内のグループ企業合同行事。平たく言えば忘年会。

昨年同様、夜8時過ぎに(公式の開始時刻は7時半だったのだが)スタートし、ゲーム、歌、手品、そして大抽選会で、深夜1時近くまで。この長丁場自体は、昨年の経験から覚悟していたのだが、なぜか、私にあてられたテーブルは出席率が低く、初対面のインド人と顔突き合わせっぱなし。これも修行(何のだ?)と諦めるが、辛い。ま、向こうも辛かったとは思うが。


「バトル・ロワイアル」  (00.12.18)

何かと話題の映画を、この機会に東京にて鑑賞。ついでに原作本も購入。

原作の方は、劇画っぽい設定の馬鹿馬鹿しさを我慢すれば、テンポ良く読めるし、青春ドラマとして、ちょっと良い感じの描写も多い。一方、映画化作品では、ストーリー自体は割に忠実に原作をなぞっているものの、根本的なところで設定を変え、全体主義国家 vs ロックに象徴される自由、という原作の対立構図ではなく、大人と子供の世代間の対立に焦点を移している。

その象徴が、ビートたけし演じる教師なのだが、これが妙に湿っぽい。恐らく、映画製作陣にすれば、これで物語的深みを出そうとしたのだろうが、その割には詰めが甘い設定変更だと思う。元々が、細かい事には目をつぶらなければ、到底、受け入れがたい世界観に基づいている物語なのだが、原作に比べ、映画の方が、遙かに「目をつぶる」べき箇所が増えている。

とはいえ、あの長大な原作をまとめた手際の良さは見事だ。とにかくも「目をつぶる」ことができる人には、なかなか楽しめるし、それなりの説得力がある映画だとは思う。しかし、国会まで巻き込んだ騒動を引き起こしたということで、アナーキーな映画を期待して見に行った身としては、あまりにもきちんとした「商業娯楽映画」になっているので、拍子抜けしてしまった。


行きの飛行機は、機材の整備不良で1時間の遅れ。帰りの飛行機は、やはり機材トラブルで、なんと欠航。あわや成田で一泊というところ、何とか、他社の便に振り替えてもらえたが、この便がまた、機材の整備不良で、離陸が1時間半遅れ。シンガポール着陸時には、タイヤ故障した別の飛行機が滑走路をふさいでいるということで、さらに30分遅れ。結局、午前3時、自宅着。疲れたっす。ま、墜落もせず、無事で何より、と言うことかな。