七つの望みを叶える代わりに魂を差し出す契約を悪魔と結んだのだが、望みが叶ってみても、どうもうまく行かず...という騒動を描いたコメディ。1967年のDudley Mooreらが出演した映画のリメイク。
ポスターの雰囲気から、全く期待せずに観に行ったのだが、どうしてどうして、良くできたコメディだった。皮肉が効いていて、下ネタの扱いも下品になることは無く、主役のBrendan Fraserは、情けない表情が適役。脇役陣も健闘していると思う。ここ最近見た映画では、一番、場内に笑いが満ちたんじゃないかな。
悪魔を演じるのは、Elizabeth Hurley。彼女は、Estee Lauderの広告で有名だけど、良くも悪くも化粧品メーカーのモデルらしい風貌で、俳優としての深みが感じられないと思う。そこを逆手に取ったのが、"Austin Powers"での、ボンドガール風役回りだったのだろう。あの成功で味を占めたのか、最近は、ちょっと変わった役柄が増えているようだ。で、今回の悪魔役。これが、セクシー系から制服系まで無意味に衣装を替えまくるコスプレ状態で、演技力じゃなくて存在自体で笑いを取るというポジションを確立したように感じる。それに本人が満足しているのかどうかは分からないが。
惜しむらくは、ラストが無理矢理のハッピーエンドになってしまっていること。そこまでの展開が、馬鹿馬鹿しいながらも皮肉っぽい語り口で引っ張っていたのに、なんだか急に行儀の良いお話になるところが、興ざめである。ま、ハリウッドらしいエンディングなんだけど。
この映画、日本での公開は、67年のオリジナルと同じ邦題「悪いことしましョ! 」になるらしい。なんだかなぁ。