季節が存在しないところなので、いまいち実感が伴わないのだが、とにかく、シンガポールに来て、ちょうど丸一年経った。相変わらず、インターネットに接続するのに、日本で契約しているIBM Net(昨年、AT&Tに買収されてしまった)のアクセスポイントを使っているのだが、重いし、途中で切れるなど、どうも安定しない。ついに、こちらで接続サービスの契約をすることにした。
何故、今まで待っていたかというと、どうせなら高速接続サービスを利用しようと考えていたからである。シンガポールの高速接続サービスには、電話会社Singapore Telecomが提供しているADSLサービス(Magix)と、ケーブルテレビ会社SCVが提供するSCV's Broadband Access Serviceがある。このうち、Magixの方は、ADSLモデムとPCとの接続にATMカードを使うため、PCIスロットの空きがあるデスクトップPCが必要だったし、SCVの方は、商用サービス開始前のモニター期間で、日本語Windowsを使っている外国人がモニターに選ばれる可能性は無かった。それが、最近になって、Magixの方はEthernet接続をサポート、SCVの方も正式商用サービス開始、と、私でも利用できる状況になったのである。
Magixの方は
- 最大転送速度: 512Kbps(各帯域は、そのユーザー占有)
- 既存の電話線を利用
- 接続にはRASを使い、時間による課金
一方、SCVは
- 最大転送速度: 1.5Mbps(各帯域は、複数のユーザーで共有)
- 既存のTV用ケーブルを利用
- 常時接続。固定料金
常時接続の簡便性と、転送速度理論値を考えれば、SCVの方に分がありそうだ。さらに、うちの電話線は何故かノイズが多いことを考えれば、どう考えてもSCVだよなぁ。
で、ひねくれ者の私は、Magixの方を申し込んできた。理由は、PCを置いてある部屋に電話線の端子は出ているけど、TV用の端子が無い、という一点。借家だから工事する訳にもいかないし、床をニョロニョロとコードを這わせるのも何だかなぁ、ということだ。
散々迷った末の選択の結果は、大抵裏目に出る、というのがこれまでの経験なので、果たして安定した高速接続が実現するのか、非常に不安ではある。ただ、こういう新しいことを、独りで取扱店に出向いて、色々と相談しながら段取っていくというのは、海外生活の醍醐味、と言う感じで、それだけで楽しくなってくるのである。結果が出るのは、再来週。