カウントダウンにOrchardまで行った話を現地スタッフにすると、一様に
「馬鹿じゃないの」
という反応が返ってきました。良識あるシンガポーリアンは、あんなとこには近づかない。集まった60万人というのは、海外からの観光客 + 地元のお調子者だけ、ということだったようです。
テレビ中継を見ていた彼らから説明を聞いて、ようやく何が行われていたのか理解できましたが、コンセプトは、踊り明かし大ディスコ大会、だったらしい。そりゃ、疲れる訳だ。若者受けを狙う首相も来てたのね。
- Shrooms (00.1.4)
- おしゃれスポットChijmesにあるレストラン。予備知識なしに、店の外見だけで判断して入ってみたのだが、かなり正解だった。
最近のトレンドを押さえた、落ち着いた内装。ウェイターの態度も悪くない。「ホタテと家鴨の温サラダ」と「雌鳥の蒸し焼き」を頼んだが、どちらも、立体的で綺麗な盛りつけだ。パンの代わりにナンが、チーズバターを添えて出されるのも、面白い。で、値段が高い。どうも、こうなると、
「カッコつけて、高いくせに、おいしくねぇんだよ」
と、ケチの一つでもつけてやりたいと思ってしまう。< ひねくれ者残念ながら、食べてみると、おいしいんだな。単体ではなく、付け合わせの野菜と一緒に食べることでちょうどのバランスになるよう計算された、絶妙の味付けに唸る。安くて美味しい店だと、素直に嬉しくなるのだが、高くて美味しい店だと、なんか悔しい。< 貧乏性のひねくれ者
- なんたって「ショージ君」 (00.1.9)
- 東海林さだお氏の自選による読物集。
実家がずっと毎日新聞を取っていたので、東海林氏の4コマ「アサッテ君」は20年以上も読んでいたことになるが、「8コマ漫画」の実験をされていた時期など、ごく一部を除いて、あまり面白いと思ったことは無い。当時の他紙の4コマに比べればマシだったとは思うけど。
しかし、氏の文章は別である。読み始めたのはここ数年のことだ。それまで、海外出張の供としていた椎名誠氏のエッセイをほぼ読み尽くし、次にたどり着いたのが、「丸かじり」シリーズだった。異国の地では、こういう日本瑣末こだわりエッセイが落ち着くのである。それにしても、東海林氏、なぜ、文筆業の方を正業に、漫画の方を副業にしないのか不思議なぐらいの文章上手である。この手の軽いエッセイ風の文章(しかも食べ物の話題のみ)なんて、並の書き手ではすぐに飽きてしまいそうなところだが、東海林氏のは次から次へと読みたくなるし、一度読んだ物も、何度でも楽しめる。
この本は、さすが「東海林さだお入門」と副題がふってあるだけに、まんべんないセレクションかつ、ドカ弁並に重量のある分量で、これ一冊有れば世界一周のお供ぐらい軽くこなせそうである。因みに、中島らも氏の文章と対談が含まれているのも高ポイント。
なお、中島氏をはじめとして、何人かの、東海林氏の著作に寄せられた解説文も収録されているのだが、これは、ちょっと解説子にかわいそうな気がした。解説文という、ほめることが義務づけられ自由の利かない文章だけに、それを並べられると、各人のセンスの良し悪し、文章の上手下手が露骨に現れてしまう。東海林氏の名文の合間にはさまれるだけに、なおさらだ。
- TV Media
- 昨年の大晦日の話しだが、我が家に宿泊するゲストが予定より一人増えたために、急遽、空気で膨らます簡易ベッドを購入した。TVショップで見て以来、気になっていた商品である。空気で膨らます簡易ベッドだが、電動ポンプが付いているところがミソ。買ったのは、TV Mediaなる、TVショッピングで扱っている物の専門店。
さっそく試してみたが、ほんの数十秒で膨らむし、固さ調整も簡単にできる、なかなかの優れ物だ。実際に使用した友人の話でも、ベッドの端に行くと、ゴロリと落ちてしまうのを除けば、寝心地も良いとのこと。ゲスト滞在期間、自分が使っていたソファベッドよりも、こっちの方が良さそうですらある。
それにしてもこのTVショッピング屋さん。この他にも購買欲をそそる物が目白押しである。ケーブルTVの通販専門チャンネルも見られる環境だし、これが借家でなかったら、今頃は、まず、壁に自在な模様を塗ることが出来る、あのペイントセットを購入している(そして、塗り損じて激しく後悔している)頃だったろう。
- キリンヤガ (00.1.9)
- 年末年始はゲストが来ていて、あまり休息という訳にもいかなかったので、10日が祝日で三連休になる今週末は、ほとんど外出せず、年末に買い込んでいた読書三昧である。久しぶりにハヤカワ文庫などをまとめ買いした中で、特に期待していたのがこれ。
アフリカのキクユ族が伝統に則った暮らしを営むために設立されたユートピア小惑星「キリンヤガ」を舞台に、楽園の純潔を護ろうとする祈祷師の孤独な闘いを描く、という、数日間とはいえ、キクユ族の家にホームステイしたことのある私としては、非常に興味引かれる設定である。
しかし、どうも読み心地が悪い。時代設定が、2100年代で、ケニアがすっかり都市化され、象もライオンも絶滅した後に繰り広げられる物語としては無理がありすぎる。著者、Mike Resnick氏は、アフリカの伝統文化をかなり理解しているとは思うが、それでもヨーロッパ人の視点、というものを感じてしまう。この視点の裏返しが植民地主義につながる、と思えてならないのである。
あるいは、非西欧文明的価値観についてどういう態度を取るべきか、自分の中で確立されていないから、作者のナイーブさに腹が立っているだけなのかもしれないが。
あと2冊のハヤカワ文庫、「深夜プラス1」と「たったひとつの冴えたやりかた」は、正解。なぜか、紀伊国屋に行く度に一冊ずつ増えていく「パタリロ!」も12巻まで。もう、英語に積極的に触れようという2年前の意気込みはどこへやら。英語の本の20倍のスピード = 1/20の労力で読める本がこれだけ容易に手に入るんだから....、と自分を正当化する今日この頃です。
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