IN/OUT1999/11/7


また、台北にいる。この半年ほどで、既に7回目。ちょっと多過ぎ、という感じですが(以下略)。

とりあえず、台北での仕事も今回で一区切り。だから、という訳でも無いのですが、初めて、土日をフルに台北で過ごしました。

思っていた以上に日本文化が浸透しているようで、こちらで発行されているTaipei Walkerもちろん中国語)の他にも、Tokyo WalkerKansai WalkerYokohama WalkerChiba WalkerKyushu Walkerもちろん輸入された日本語雑誌)が、ずらっと平積みで並んでいるのには驚かされました。雑誌以外には日本の書籍など全く置いていない地元の本屋で、です。いわゆるファッション誌ならまだしも、台北の若い衆は、こんなタウン情報誌のどこを読む(眺める)のだろう? あと、新光三越や太平洋そごうといった日系百貨店が、まさに日本のデパートと同じ構成になっているのが、羨ましい。シンガポールの伊勢丹とかは、もはや日本のデパートの雰囲気じゃなくなっちゃってるんだよなぁ。


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国立故宮博物院  (99.11.7)
やはり、台北に来たなら、ここに行かねばなるまい。今回、一人で行くにあたり、ウェブで色々調べたのだが、故宮のオフィシャル・サイトよりも個人の旅行記のページなどの方が役に立った。感謝の意味で、私もちょっとした台北交通指南を書いておこう。

バス(公車
市内を移動するのに最も安くて便利なのがバスだろう。運賃は15元。乗車時に払う場合と降車時に払う場合がある。それぞれ、「上車収票」、「下車収票」と表示が出ているが、まぁ、前の人がやるのに従っとけば間違いない。それぞれ、運賃を払うときには前の扉を利用し、払わなくてよい状況なら、前後、どちらの扉を利用しても良い。長距離になると、乗るときと降りるとき、それぞれ15元ずつ払う、ということもあるようだ。
バスの車体と停留所には、それぞれ路線番号が書かれているので、前もって、自分の行き先の番号を確認しておくことが必要。英語か日本語ができて、かつ、親切な運転手なんて、期待しちゃだめ。
欠点は、とにかく運転が荒いことと、土地勘が無いと、どこで降りれば良いかが分からないこと。

タクシー(計程車
真っ黄色の車体のタクシーは、驚くほど沢山走っているし、料金も安いので、便利は便利である。ただし、運転手に英語が通じる可能性はほとんど無し。前もって、行き先を紙に書いておくのが無難。Mandarinの発音は、イントネーション(四声)を忠実に再現しないと通じないので、カタカナ読みを覚えておいても、なかなか分かってもらえない。
メーター式でチップも不要の明瞭会計のはずだが、たまに、わざとメーターを倒さずぼったくる不良運転手もいるらしい。そういうトラブルを防ぐには、一流ホテルの玄関でタクシーをつかまえてもらうこと。こうすると、ホテルの人がタクシー番号を控えているので、運転手も、そうそう悪いことはできない。
なお、聞いた話では、タクシーの運転手の3割は、強盗・殺人などの、重度犯罪の前科持ちだとのこと。これが真実なのか、日本人駐在員に伝わる都市伝説の類なのかは不明だが、タクシー運転手による犯罪が多いのは事実。夜間、女性がタクシーを利用するのは、絶対に避けること。

Taipei Rapid Transit Systems(捷運
現在、着々と路線拡張が進んでいる、期待の新交通機関。乗り方は、日本の電車と同様、自動券売機で切符を買い(ただし、料金ボタンを押してからコインを投入)、自動改札を通ってホームへ。
車両はきれいだし、路線図を見てれば、いつ降りれば良いかすぐ判断できるので、便利。

と言うわけで、今回は、捷運で士林まで行き、そこから304番の公車で故宮博物院へ、というコースを利用。304番をはじめ、いくつかのバスは台北車站(台北駅)も通っているようだが、何せ、バスは立っていると乗り心地が悪いことこの上無いので、今回の、台北車站 - 士林間を電車を使うという選択は、それなりに正解だったと思う。

肝心の博物院の内容だが、私のように、東洋史にも東洋美術にも疎い人間には、やや猫に小判的な気はする。手の込んだ工芸品など、素人目にも凄いっ、と思うモノもあるが、例えば大英博物館のミイラのような、客寄せパンダ的目玉展示物に欠ける、という感じである。ただ、個々の展示品がどうこうよりも、こうした何千年にも渡る物品を、収集・保存し続けた王宮の人々、さらに戦火の中、それらを台湾まで運んできた人々の、執念のようなものに、感銘を受けた。この辺の、スケールの大きさが、いかにも中国人、という印象である。

展示品を深く鑑賞するためには、ある程度の予習はしておいた方が良い。あるいは、今回、私が利用したオーディオ・ツアー(100元。入館料80元より高い。日本語有り)の設備を借りるのも良いだろう。まぁ、館内のあちこちにいる観光ツアーのガイドさんの解説を立ち聞きするというのもありか。あと、私が博物館や美術館に期待する重要なポイント、喫茶室の充実、という点は、なかなか良かった。4階にある喫茶室で熱い中国茶を啜りながら小籠包をいただくのは、疲れた足に快適である。味は、ま、それなりではあるけど...



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足下に気をつけろ  (99.11.6)
台北の街を歩き回る。上を見ると、古びたビルに漢字の看板。セブン・イレブンやファミリー・マート、STARBUCKS COFFEE、などなど見慣れたものも多く、ちょっと落ち着く。そうそう、ひらがなだって目に入る。どうも、中国語の"的"を、ひらがなの"の"で表記するのが、おしゃれ、ってことになっているらしい。「台湾的手工藝品」が「台湾の手工藝品」みたいに。目を水平に転じれば、街ゆく女の子の顔立ち、スタイル、ファッションが、シンガポールに比べて圧倒的に日本人好みで嬉しくなるが、そんなスケベ心は、荒っぽい運転の乗用車の群と、その合間の想像を絶する数の原付に吹き飛ばされる。とにかく、まったく歩行者軽視の姿勢で突っ込んでくるので、最初はおどおどしてしまうが、どうやら、なまじ立ち止まったりせず、一定の速度で一定の方向で歩き続ければ、彼らはそれを見越して、ぎりぎりのところを通過するように運転しているようだ。それにしても怖い。大体、なんで原付が、平気で歩道を走ってるんだよ....

さて、問題は足下である。歩道には、石畳やブロックが敷き詰められているのだが、そこら中、ひび割れていたり、砕けていたりして、歩きにくいことこの上ない。どうやら、歩道を突っ走る原付のせいですぐに痛んでしまうらしい。さらに、注意が必要なのが、一見、普通に見えるブロックが、実は、底がガタガタになっている場合。不用意に踏んで、足下がガタッとなるだけなら良いが、運悪く、下に雨水が溜まっていたりすると、排気ガスをたっぷりと溶け込ませた真っ黒な水が、ピチャッと跳ね上がる。気がつくと、靴には点々と黒い水跡が、という羽目になる。現地駐在員に聞くと、なれてくると雰囲気で、踏んじゃやばいブロックが見分けられるようになるらしいが、数日間の出張でその境地に到れるわけもなく、足下と、歩道を走る原付に注意を払いながら、おどおどと歩き回っていたのである。



自分の足で歩き、バスに乗り、電車を乗り継いでると、それなりに土地勘が出来てきて、街に対する愛着が湧いてくるものです。ドトールコーヒーがあるのは嬉しかったし(メニューも同じ。絶対、STARBUCKSよりうまい)、ホテルの近くにHootersがあったのにも驚きました(米国以外で入ったことが無い。アジア人ウェイトレスもああいう扮装なのか興味はあったけど、独りで入る店じゃないよね)。今度来たときには、行ってみよう、と思うのですが、仕事の方が一段落しちゃったしなぁ。自腹でも来たいか? と言われると、難しいところではあります。


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