IN/OUT1998/6/27


一年を通してほとんどの季節、雨ばかりのオレゴンも、夏場だけは晴天が続くようで、日本人としては、屋外に洗濯物や布団を干したいところです。しかし、アパートのベランダは洗濯物を干すようには出来ていませんし、ロープなどを無理やり張って干したりしたら、目立つ....いや、怪しい奴だと思われるのがおちでしょう。こちらでは、洗濯物は乾燥機で乾かすもの、ベランダはバーベキューをする場所、ということになっているようです。

これは、オレゴンだけのことじゃなく、全米共通のことだと思われます。カリフォルニアなんか、あれだけ乾燥した気候なんだから、洗濯物なんか二時間もあれば乾いちゃうし、二酸化炭素排出量削減にも貢献できると思うのですが、やはり、皆、乾燥機を使っているようです。

ということで、私も、乾燥機を使っています。慣れちゃうと確かに楽なのですが、「縮む」のが難点です。特に靴下やTシャツなどは、洗濯を繰り返すと、二まわりぐらい小さくなってしまう感じです。


in最近のIN

おのぼりさん in シリコン・バレー  (98.6.26)
カリフォルニア州、サニーベイルにある関連会社へ出張に行ってきた。ポートランドからサン・ノゼまで飛行機で一時間半ほど。そこからは車で15分ほど。シリコン・バレーの真っ只中である。

本来の目的である会議は一時間ほどで終了し、その後は近隣を案内してもらう。「HP」の大きな事業所や「アップル」本社等を外から眺めるという、ミーハーなツアーである。「S3」や「シマンテック」、「インフォミックス」等々、名前を知っている企業を次々と発見したり、アップル本社の周囲で「IBMのタリジェント」や「サンのJavaSoft」のビルを見つけアンチMS陣営の栄枯盛衰に想いを馳せたりして、なかなか興味深い。

この辺りの風景は、何よりも平面的な広がりが凄い。土地が広大なせいか、建物を垂直方向に広げようという気が無いようで、住宅は平屋建て、オフィスビルでも2〜5階建てぐらいのものがほとんどである。大きな木もあまり無く、遥か遠くまで見渡せる。乾燥した気候のため、かなたに見える丘陵地帯には草と潅木しか生えておらず、しかもこの季節には枯れて茶色くなっていて、一見、禿山のようである。幹に苔むした巨木が街中に生い茂っていて、常に圧倒的な量の緑が視界に入るオレゴンの景色とは対照的だ。開放的な感じもする一方で、殺伐とした印象も受ける。活力にみなぎった人なら、この開放感の中でさらに力を発揮できそうだが、そうでないと、殺伐感に負けてしまいそうな気がする。

店の名前は失念したが、夕食に連れていってもらった中華料理屋は、とてもおいしかった。特に、「ミル貝のしゃぶしゃぶ」は絶品。


おのぼりさん in サンフランシスコ  (98.6.27)
せっかくの初カリフォルニアなので、土曜日はサンフランシスコまで足を伸ばしてきた。

ゴールデン・ゲート・ブリッジ、フィッシャーマンズ・ワーフ、クルッキデスト・ストリート、ユニオン・スクエア、と、王道の観光地を一巡り。「坂の街」とは聞いていたが、実際に行ってみると、想像以上。例えば神戸のような、山と海に挟まれた一方向の勾配という単純な坂ではなく、街中がうねっているような印象で、何故こんなにでこぼこした地形のところが都市として発展できたのか、不思議である。

もっとも一番印象に残ったのは「Bangu & Olufusen」のショップがあったことだったりする。アメリカ人の美的センスはどうも私には理解不能なものが多く、アメリカ製、もしくは日本メーカーのアメリカ向けオーディオ製品も、あたかも合体ロボのようなゴテゴテしたデザインのセット物か、無骨なブラック・ボディーの単品物ばかり。試聴する前に、外観だけで購買意欲が萎えてしまう。ポートランドではいまだに「B&O」の製品を見たことが無いのだが、なんとか手に入れたいと強く思ったのであった。



moving付録 : 今週のお引越し

引越し荷物到着
ようやく、日本から送った荷物が到着した。衣類、CD、炊飯器と変圧トランス、その他。最低限の衣類を着回して2ヶ月過ごしてきたので、やっと一安心。

さっそく、CDをノートPC用外付けCD-ROMドライブで再生しつつ荷物の整理をするが、ウォークイン・クローゼットの収納力には、改めて感心させられる。今までの「必要最低限のモノしか無い状態」から比べると、細々としたものが一気に増えたし、棚系統の家具が何も無いので床に直置きにした物も多く、さらにアパートの中が汚くなってきたようにも思う。しかし、こうした部屋の中の「雑音」があってこそくつろげるような気がする。



以前、椎名誠氏のエッセイで、氏がへインズのTシャツを好きな理由として、「洗濯を繰り返すうちに、襟口のところが伸びて、でろりん、となってしまうところが良いんだ」みたいな事を書いていたと記憶しています。当時は「そうか、でろりん、がアメリカン・スタイルなんだな」と思って読んでいたのですが、どうも、これは、椎名氏が洗濯物を屋外で干していたことによる誤解じゃないか、という気がしてきました。乾燥機を使っている限り、Tシャツの襟口は、でろりん、とはならないんですね。それどころか、縮むせいで、どんどん締まってくるんです。

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