IN/OUT1998/5/30


今週末から、ポートランドでは「ローズ・フェスティバル」が開催されています。これからしばらく、市内のあちこちで様々な催し物が行われるようです。そのオープニングを飾る「Fireworks Spectacular」を見物してきました。

「花火大会」というと、浴衣・うちわ・スイカ・かき氷・「たぁまやぁー」の掛け声・金鳥の仕掛花火、なんかを蒸し暑さとともに思い出しますが、まだ肌寒い当地で見るFireworksは一味違いました。まず、観客ののりが、口笛・叫び声・拍手と、ご陽気なところが面白い。花火自体も、夜空にいかに大輪の花を咲かせるか、というだけでなく、音や弾道の描く軌跡にも力を入れているという印象で、日本のものとは異なる感じです。火とFireworksの差でしょうか。

見に行くまでは「どうせアメリカの花火なんて」と、期待していなかったし、実際、30分ほどであっさり終わったのですが、すっかり楽しんでしまいました。


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「辺境・近境」  (98.5.25)
出国直前に購入した村上春樹氏の旅行記。スーツケースの奥に入れっぱなしだったのを、ようやく読了。

どうも、最近の村上氏の小説やエッセイは、以前ほど心に響かなくなってきたように思うし、特に「アンダーグラウンド」のような社会との関わりを前面に出した仕事には違和感を感じていた。ここに収めらている文章の多くは、90年代初めに書かれたもので、決して「最新作」ではないのだが、やはり、何か、しっくりこないものを感じながら読み進む。

が、意外なことに、一番最近書かれた「神戸まで歩く」、97年5月に西宮から神戸まで歩いたことを書いた文章、を読んで、最近の氏の仕事について「腑に落ちた」気がする。描かれているのは、私が学生時代を過ごした土地であり、また、地震の直後、ボランティアで避難所を訪れたときに歩き回った地域でもある。

その後の地震の被害から復興する過程も、折に触れ自分の目と足で確かめているが、そうした時に感じるもの、うまく説明できないが、自分自身の存在と自分が慣れ親しんでいるはずの土地との間の溝みたいなもの、妙な居心地の悪さ、みたいのものを、村上氏の文章からも感じ取ることができ、「我々の社会の足下に潜んでいるはずの暴力性について」、氏が取り組むことの必然性("地震"そのものを対象にしないことも含めて)を共有できたように思えたのである。


「THE ELEPHANT VANISHES」  (98.5.25)
ということで、英語版の村上春樹氏の短編集を購入する。大きな本屋には、"Haruki Murakami"や"Banana Yoshimoto"の作品は置いてあるのである。

米国で仕事をし、生活をしているとは言え、私の場合、結局「日本語で考え、コミュニケートする」時間の方が圧倒的に多く、もうちょっと、英語に積極的に触れようと考え、本屋に行ったのだが、買ったのは、勝手知ったる村上春樹、ってところが、ちょっと情けない。

自分の語彙の少なさに辟易しながらも、一日一編を目標に読んでいるが、収録作品は、氏の様々な短編集から寄せ集められた17編。中々、私好みのセレクションであり、一ヶ月近くは楽しめそうである。


「SPLENDORS OF ANCIENT EGYPT」  (98.5.25)
ポートランド・アート・ミュージアムで開催中の古代エジプト展へ行ってくる。年代順に古代エジプトの美術品・工芸品等が要領良くまとめられおり、展示の質・量ともに、かなりの水準だったが、個人的には、あまり興味を惹かれるタイプのものではない。(メモリアル・デイの三連休、ホテル暮らしだと暇を持て余すのである。

13ドルのチケットを買って入り口へ行くと、全員にヘッドフォン・ステレオが渡される。「AUDIO TOUR」って奴である。最初に館長の挨拶が流れた後、案内役を務めるのはキャスリン・ターナー! 映画「ナイルの宝石」に主演した古代エジプト展にはうってつけのナレーターだと館長氏は紹介しているが、そういうものか? とにかくも、彼女のナレーションに沿って館内を歩き、展示品の説明を聞くという趣向である。順路を説明したり、美術館の常設展にも触れていることから、これが、ポートランド・アート・ミュージアム用に録音されたことが分かる。地方美術館の企画のために、一流の女優が協力しているというのは、大したものだ。

肝心の展示内容よりも、そうしたことに感心しながら見て回ったのだが、順路を間違えないようにターナー女史のナレーションを聴き取るのに必死だったりしたのである。



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「外人」だからしょうがない  (98.5.26)
銀行口座を開設したときに、一緒にクレジットカードも申し込んだのだが、「信用調査の結果」却下されてしまった。社長に書いてもらった身元保証のレターも添付して申し込んだのだが、結果は「支払い限度額と同額のデポジットを入れれば、カードを発行し、半年〜一年、支払状況を見た上で、正式のカードへの切り替えを考える」というもの。つまり、5000ドルまで使用可能なカードを作るためには、まず5000ドル預金する必要がある(これは、途中で引き出すわけにはいかない)ということである。渡米早々、そんなにドルの持ち合わせが有る訳が無い。米国でのカード発行をあきらめ、日本で使っていたクレジットカードを使いつづけるということもできるのだが、日本の銀行口座の管理をするのも面倒だ。

結局は、社長に奮闘してもらって、来週には通常のクレジットカードを発行してもらえることになったのだが、アパート契約に続いて、信用調査でトラブル続き。日本で築いてきた信用など、こちらでは全く役に立たないのである。



moving付録 : 今週のお引越し

プロバイダ契約
今までは日本で契約してきたIBM Netを使っていたのだが、こちらでMCIインターネットと契約する。150時間まで定額だし、デルタ航空のマイレージプログラムと提携している(契約すれば5000マイル。その後も接続時間に応じて少しずつだがマイルが溜まる)のが決め手に。



ローズ・フェスティバルの開幕をかざるもう一つのイベントに「Rose Festival Queen's Coronation」があります。地元の女子高生からローズ・クイーンを選ぶ、と聞いて、邪心いっぱいでテレビを見ていたのですが、ちょっと当てが外れてしまいました。選考に当たっては「学業優秀」で「地域の活動に積極的に参加している」などが重視されるということで、いわゆる「beauty contest」を期待しちゃ駄目だったんですね、これが。
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