ということで、ポートランドに引っ越しました。冬の降雨量が非常に多い土地らしく、その分、緑がとても豊かです。街の中心部 = ダウンタウンはこじんまりしていて歩きやすく、猥雑というほどの活気はないけれど、寂れている訳でもない、落ち着いたところです。もっとも、勤務するのは、ダウンタウンからかなり離れたところになります。人口密度の低い田舎のはずなのですが、そういうところでも自動車の通行量がけっこうあるのは、さすが「車社会」という感じです。免許を持っていないと、「車を運転できない」だけでなく「身分証明に困る(日本のパスポートじゃ役に立たない場合が多い)」ため、肩身が狭いっす。
- 結婚式、オレゴン風 (98.5.2)
- ポートランドに到着した日、偶然にも会社の後輩の結婚式が当地で行われ、朝到着したその足で、式へ向かう。
カソリックの教会での式は、普段着の客が多いことと、「エンドレス・ラブ」などのポピュラーソングの弾き語りがあったことを除けば、日本の教会での式と大きくは違わないように思う。
式の後、場所を移動し、レストランでのパーティー。皆で乾杯するときに新郎・新婦が挨拶をした以外には、いわゆる「スピーチ」のようなものは一切無い、にぎやかな立食パーティーである。ウェディング・ケーキへの入刀も行われたが、日本の披露宴のような大げさな演出がある訳じゃなく、ケーキはその後切り分けられ皆に配られた。(全部、ちゃんとしたケーキな訳である。これが当たり前だと思うのだが)
最後はダンス大会。まず、新郎・新婦が、続いて、新郎が彼の母親と、新婦が彼女の父親と、それぞれペアになって踊り、後は、盛り上がるに任せるという感じ。形式ばった日本の結婚式より「皆が祝福している」というのがストレートに伝わってくる。これに関しては、日本ももっと「アメリカかぶれ」して良いのではないか。
- 牡蠣の指名食い (98.5.5)
- ダウンタウンで一番と評判のシーフード・レストラン「JAKE'S」。今、滞在しているホテルのすぐ近くにあるのだが、いつも満員。この日も、残業後、9時半頃に行ったのだが、15分ほどバーで待たされた。
テーブル席に通され、さっそく生牡蠣を頼もうとすると、これが8種類ぐらいメニューに載っている。産地や品種がそれぞれ違うらしい。って言われても、どれがどんなものだか分かるわけも無く、ウェイターに尋ねると、自信たっぷりに二種類をピックアップしてくれた。ウェイターが陽気で自信たっぷり、というのが、当地の良いレストランの共通項のようである。慇懃無礼に素材の説明されるよりは、よっぽど気持ち良い。
二種類の牡蠣(それほど味の違いがあるとも思えなかったが)はもちろん、メインで頼んだサーモンのソテーも中々の美味で満足。
- 「剣客商売」
- 今まで、時代小説というのは食わず嫌いだったのだが、成田で時間潰しに購入した池波正太郎氏の文庫本にすっかりはまってしまった。
粋な文章と魅力的な登場人物、それに、質素なのに食欲をそそらせる食べ物の描写。世間で言われている池波氏の魅力にいまさら気がついた訳だ。TVの時代劇にも、このシリーズを「パクった」ものがあることにも思い当たる。20冊近く刊行されているこの「剣客商売」シリーズ、もっと読んでみたいものである。
郊外のBeavertonという街にできた「Uwajimaya」という日本食を扱っている大型スーパーの中に「紀伊国屋書店」があるらしいので、免許が取れたら行って見よう。
- 中途半端に便利なのも困ったもんだ (98.5.3)
- 現在宿泊しているホテルの部屋には、冷蔵庫・トースター・コーヒーメーカー・4ヶ口の電熱コンロ、オーブン・鍋・食器が備え付けられ、大きなクローゼットも付いている。さらには、地下にコインランドリーもあり、長期滞在には便利にできている。
さっそく、スーパーマーケットで、キャベツ・巨大なキュウリ・肉・塩・コショウなどを購入してきて、夕食をキッチンで作ってみたのだが、まな板や包丁が無い。キュウリは、食事用のナイフで皿の上で切り、キャベツは手でちぎって、形にはなったが、一苦労である。とはいえ、アパートを見つけるまでの仮住まいのホテルに色々な生活用具を買い揃えるのもなんだし....。どうせ、ちゃんとした料理ができないのなら、電子レンジがあれば、冷凍のいわゆるTVディナーを買ってくるという手もあるのだが、ついているのは「オーブン」であって、電子レンジでは無い。
部屋の掃除をしてくれるのも、便利といえば便利だが、ノートPCを出しっぱなしにするのも怖いので、出かけるときには、わざわざクローゼットの中のスーツケースに収納してカギをかけている。これも結構面倒くさい。
はやくアパートを見つけたほうが良さそうである。
- 成田からポートランドへ
- 5/2のDL52便でポートランドへ飛ぶ。両親や友人が見送りに来てくれたが、成田の場合、フライトの大分前に出国審査へ向かう通路に消えていくのが最後だし、離陸する飛行機を目前で見られるような滑走路近くの送迎デッキも無いので、盛り上がりに欠ける。わざわざ来てもらって恐縮である。
出国審査を抜けて、シャワーを浴びる。一時間600円。ワンルームマンションのバスルームのようなしょぼい設備だが、これからの長時間のフライトを考えるとありがたい施設である。その後、売店で、村上春樹と池波正太郎の文庫本を購入。
途中、結構揺れたものの、無事、ポートランドに到着。
- ホテルへチェックイン
- ポートランドのダウンタウンにあるホテルへチェックイン。ここは、室内に冷蔵庫やキッチン、地下にコインランドリーがある、長期滞在向けのホテルである。
- アパート探し
- アパート探しを開始する。これから無事に自動車免許が取れたとしても、いきなり、毎朝高速を飛ばすような通勤はしたくないので、勤務地の近くで数カ所回ってみる。
郊外のアパートというのは、日本のアパートとは全くイメージが違う。不動産屋が開発した区画の中に、かなりの数のアパートが立ち並び、中心に、オフィスと共用施設がある。アパート自体は3階建てぐらいのものが普通である。オフィスにいるお姉さん(これが、どこも中々の美人を揃えている)に、ワン・ベッドルームで6月中旬ぐらいに入居できるところがあるか尋ね、見学させてもらう訳だ。
まずは、共用施設というのが、24時間オープンのフィットネス・ルーム(エクササイズ・マシンが置いてある)にプール、ジャグジーなど。広いところだと、さらにバスケットボールのコートやサウナ、スカッシュ場まで備わっている。肝心の部屋の方も、冷蔵庫・洗濯機・乾燥機・食器洗浄機は備え付け(ただし、一般の家具は付いていない)、広いウォークイン・クローゼットがあるため、ワンベッドルームにリビング + キッチン・台所、という間取りでも、広々しているし、暖炉付きというところも多い。
- Social Security Number取得
- Social Security Numberを取得する。外人の場合は、いろいろ尋ねてもどうせ訳がわからないと役所の人があきらめるから、すぐに手続きが終わると言われていたが、果たしてその通り。実際のカードが届くのは二週間ぐらいかかるらしいのだが、とりあえず、申し込んでから2日ほどで、番号だけは電話で教えてもらえた。
- 銀行口座開設
- Social Security Numberを取得したところで、銀行へ。この番号が無いと口座開設もできないのである。米国生活の必需品、小切手用のChecking口座と利息がつくSaving口座を開く。Saving口座の方は利率が2%強。電話やWWWで24時間サービスが受けられるところなどは、さすがに米国の銀行である。
銀行の人の説明は、発音が聞き取り難い上に、専門用語が出てくるし、基本的に米国の銀行のシステムというものが分かっていないため、ほとんど理解できなかった。会社の日本人副社長の秘書をやっているバイリンガルの女性についてきてもらい、助かった。
今回は金曜日の夜に更新しましたが、日本とポートランドの時差は16時間(夏時間の場合)。日本では、土曜日の午後になっている訳ですね。なんだか変な感じです。
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