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”ポイ活”というのは、なんだか貧乏くさい言葉だなぁと思っているのですが、普段使いしているスーパーマーケットが駅ビルに入っているので、JREポイントが自動的に貯まる。それも、かなり良い率で貯まる。おかげで、毎月、Suicaに充当して助かっていたのですが、最近、規則の改悪で充当率が下がることに…。このガッカリ感に、結局、自分も”ポイ活”の呪いに掛かっているなと思い知る、今日この頃です。
最近のIN
インド製ロマンティック・コメディーを観てきた。2000年生まれのMadhanの初監督作となるタミル語映画。邦題は「冴えないボクと映えるキミ」。
主人公の気弱な青年は、結婚を急かす姉の紹介で、インスタグラムの有名インフルエンサーの女性を紹介される。正反対の性格の2人だが、同じ学校に通っていたことが判明。その頃の恋バナで盛り上がった2人は、お互いの、思いを寄せていたのに告白できなかった人を探してみることにする。果たして彼らは、初恋の人に再会し、学生時代には言えなかった言葉を伝えられるのか?そして、2人の関係はどう発展するのか…、というお話。
主人公達は都市部(チェンナイ)で自立して暮らす若者で、裏社会やヴァイオレンスとは無縁の、健全系インド映画。ちょっと頼りない男性と気の強い女性という組み合わせは、万国共通のラヴコメの定番である。例によって、”盛り過ぎ”の感はあるが、意外なほど爽やかで、十代の頃の甘酸っぱい感覚を呼び覚まされる、良い映画だ。インド映画初心者にも安心して勧められるし、深酒して人に迷惑をかけるのは駄目、という教訓もある。
主人公役のAbishan Jeevinth(私は未見だが、高評価の映画「Tourist Family」の監督でもある)と、ヒロインのAnaswara Rajan嬢は、どちらも役柄にピッタリの好演。そして、主人公の初恋の人を演じるKavya Anil嬢が、とてもキュート。
なお、映画の冒頭、"SUPER ☆ STAR"への感謝が掲げられていて、?と思ったのだが、Rajinikanth様の次女、Soundarya Rajinikanthが、プロデューサーに名を連ねていた。これも、私にとって、ポイント高し!
幅広い分野で活躍する現代美術作家、杉本博司。彼の原点と言える銀塩写真約60展を集めた個展を見に行ってきた
彼の出世作「ジオラマ」。実物を映したのでは無く、American Museum of Natural History(アメリカ自然史博物館)のジオラマ展示を大判カメラで撮影したシリーズ。
「劇場」。米国各地の歴史ある劇場で映画を上映し、その間、シャッターを開放したままにすることで、スクリーンが白く発光しているような写真に仕上げたシリーズ。
「海景」。大判カメラの画面の中央が水平線になるよう構図を整え、上半分が空、下半分が海で統一したシリーズ。
「スタイアライズド・スカルプチャー」。川久保玲など著名デザイナーによるファッションを着せたマネキンを撮影し、人体と人体を包む人工皮膚を近代彫刻と見なすというシリーズ。
そして「観念の形」。数理模型を写した作品。
これらが、並んで展示されている。
「肖像」。実際の人物ではなく、蝋人形を写した作品。「ヴィクトリア女王」と「ダイアナ、プリンセス・オブ・ウェールズ」。
ジオラマや蝋人形を写真で撮ることで、現実の模倣をさらに模倣する構造を作り出したり、白く発光したスクリーンが写った写真を仕上げ、そこには、映画の上映時間 2時間の記憶(1秒間24コマで17万枚超の画像)が封じ込められていると主張したり、極めて戦略的に考え抜いた作品ばかりだ。小芝風花嬢によるオーディオガイドを聞きながらの鑑賞がMUSTだと思う(美術館訪問前にダウンロード出来るようになっているのが良心的だ)。
まぁ、理屈抜きでも、「海景」がずらっと並ぶ空間の居心地の良さは特筆もの。
なお、同時開催されている「所蔵作品展 MOMATコレクション」(こちらも、質・量・展示方法、全てにおいて充実した展覧会だ)の中に、彼が作品制作時に、撮影および暗室での作業工程の覚書を記した「スギモトノート」が展示されている。杉本博司に対しては、(以前に見たTVドキュメンタリーの印象で)自身の商業的価値を十分に意識して活動しているという、いささかネガティヴなイメージも持っていたのだが、この徹底した書き込みを観ると、やはり、すごいアーティストだと、感心しきりである。
荏原 畠山美術館で同時開催されている 2つの展覧会を観てきた。
ここは、初めて訪れる美術館だ。所蔵品の中心は茶道具などの古美術品。実業家 畠山一清(1881 - 1971)が自らの収集品を公開するため、1964年に開館。2019年に一旦休館し、2024年にリニューアル・オープン。この時、それまでの「畠山記念館」から「荏原 畠山美術館」に名称を変更している。なお、新築された新館の基本設計を手掛けたのは、杉本博司。閑静な住宅街(美術館の隣は、著名な大富豪の邸宅らしい)の中にひっそりと佇んでいる。門をくぐると、立派な木々が生い茂る庭園が広がり、美術館の建物はその奥。予想以上の趣深さだ。
「茶道具と銘をめぐる物語 」
本館の展示室では、この美術館の肝というべき茶道具の展覧会。「銘」とは、優れた茶道具に付けられた別名のことで、「なぜ、この銘が付いたのか」という角度から、茶道具に秘められた物語を紐解くという趣向。かなり渋い展示品ばかりである。
「追悼1年 ー 上田薫のスーパーリアリズム ー ジャム、アイスクリーム、なま玉子」
新館の2フロアを使っているのが、洋画家・上田薫(1928 - 2025)の没後1年を追悼した展覧会。落下する瞬間のなま玉子を克明に描き出した絵画でお馴染み、”スーパーリアリズム”を代表する作家である。玉子以外にも、スプーンですくったジャムやゼリー、みずみずしいサラダなど、作者の主観を排し、リアルに撤した絵画が並ぶ。絵の具で再現するのが難しいであろう、”透明”の表現には驚くばかり(なお、両展覧会とも、原則、写真撮影不可だが、1箇所、指定の場所からのみ、撮影が可能になっている。)。
そのリアルさに圧倒される作品が並ぶ中、最も印象に残ったのは、展示室の外の廊下に飾られていた、2019年以降(91歳以降)の作品だった。晩年まで製作意欲は衰えなかったが、さすがに90歳を超えてからは、全盛期のような描写は難しくなったそうだ。写真のような細密さは後退したが、描かれているのが、ステンレス・ポットに映る本人と奥様だったり(「ポットの2人」)、カーブミラーに映っている本人と奥様だったり(「カーブミラーの2人」)。それまでの客観性重視の冷たい印象のスーパーリアリズムから、温かみのある2ショットに移行しているのだ。ちょっと、泣けてしまった。
最近のOUT
ネット上の都市伝説「バックルームズ」をモチーフにした不条理スリラーを観てきた。2005年生まれのKane Parsonsの初監督作。
主人公は、自身が経営する家具店の地下に、すり抜けられる壁と、その向こうに広がる謎の空間を発見する。どこまでも続く部屋。何者かがうごめいている気配。主人公が空間の探索を続ける一方、初めは彼の話を信じなかったセラピストも、その空間に足を踏み入れる…。
「地下」、「壁抜け」、「その先に広がる記憶と潜在意識を実体化したような空間」。これだけ書き出すと、ほぼ村上春樹の世界である。ということで、大いに期待していたのだが…。ハマる人、特に考察好きな人には、すごくハマりそうだと思うのだが、私はダメだった。
何だか、あちこち、とっ散らかった映画という印象だ。取り込んだ人の記憶をコピーし実体化する空間(ただし、精度は低く、全てが微妙に狂った劣化コピーになっている)というアイディアには可能性を感じるのだが、それを、マジック・リアリズムで描くのか、ホラーで描くのか、SFテイストで説明するのか、いずれかに徹底してくれれば良いのに、何だか中途半端な陰謀論的雰囲気に逃げているように思えるのだ。また、客観視点と、手持ちカメラによる主観視点を、意識的に混在させているような映像で構成されているが、その使い分けが上手く機能せず、単に、観ている者を混乱させるだけになっているように感じる。
などなど、私としては文句が多いのだが、世間的な評価は、結構高いようだ。この映画に関する否定的見解を開陳するのは、単に、自分が20歳の監督の感性についていけないということを露呈しているのかも…
それにしても、JREポイント以外にも、Suicaのペンギンの卒業や、高輪ゲートウェイのトンチキぶりなど、JR東日本のやることなすこと、どうも私の気に食わないことが多いな… |