IN/OUT (2014.7.20)

会社の納涼祭。グループ会社と合同で行うので、それなりの大人数になるのですが、恒例の抽選会で、今年はかなり上位の景品に当たってしまいました。パナソニックのジューサー。メーカー曰く、『栄養たっぷり「濃いスムージー」 が作れる』最新鋭機みたいなのですが、調理家電の中では、一番、興味が無い分野だったなぁ。結構かさばるし…。どうせだったら、製麺機とかノンフライヤーの方が、なんて言うと罰当たりですかね。


in最近のIN

"English Vinglish"14.7.19

ボリウッド映画界の大女優 Srideviが、結婚引退から15年ぶりにカムバックしたインド映画を観てきた。タイトルの"Vinglish"は、辞書に載っていない、インドの言葉遊び的な単語らしい。でも、シンガポール英語=Singlishと似た響き。これは、家族の中で一人、英語が出来ないことにコンプレックスを抱いている主婦が主人公の話。良いタイトルだと思うのだが、邦題は「マダム・イン・ニューヨーク」という凡庸なもの。まあ、日本語に訳しづらいとは思うが…

とても、チャーミングな映画だ。Sridevi扮する主人公は、インドの中流家庭の専業主婦。夫は仕事で英語を使っているし、娘も学校の授業は英語。家族の中で義母と二人だけが、ヒンディー語しか喋れない。これは、インドでは珍しくない設定かもしれない。夫からは「料理とお菓子作りが上手なだけ」と決めつけられ、娘からは英語が理解できないことを露骨に馬鹿にされている(若さ故の残酷さ)。そんな彼女が、ニューヨークに住む姪の結婚式を手伝うため、一ヶ月間、家族と離れ、ニューヨークへ。初めての米国で、英語が出来ないことにコンプレックスを募らせた彼女は、こっそり、短期の英語学校に通い始める。徐々に広がりだす彼女の世界。そして…、というお話。

最初、概要を聞いたときは、英語が苦手なまま海外生活に投げ込まれた主人公を描く、米国駐在経験のある私にも共感できそうな映画かと思っていたが、主題はちょっと違っていた。英語はあくまでも物語を転がすためのきっかけに過ぎず、ここで描かれるのは、古い価値観に囚われた専業主婦で、誰からもその存在価値を正当に評価されていないと感じていた主人公が、自分自身で自信と輝きを取り戻す姿だ。

主人公のSrideviが、とてもキュート。1963年生まれだが、インド人特有の首を横に揺らす肯き方など、実に可愛らしい。そして、ボリウッドの人情喜劇らしく、周りを取り巻く登場人物達に悪人は一人もいない。特に、彼女の良き理解者となるニューヨーク暮らしの姪や、英語学校の先生・クラスメート達が、非現実的なほど善い人ばかり。当然、ラストは皆が(ちょっと涙ぐみながら)笑顔になれる、スーパー・ハッピーエンド。細かいエピソードにもたっぷり時間をかける二時間越えの長尺。そして、何度も挿入される歌とダンス・シーン(個人的には、ダンス・シーンはちょっと少なめだったかな、と残念に思うが)。深みや奥行き、リアリティなんて、関係ない。まさに、ザッツ・ボリウッド!


「ヴァロットン ― 冷たい炎の画家」@三菱一号館美術館14.7.20

三菱一号館美術館 三菱一号館美術館で開催中の展覧会を観てきた。日本では初めてとなる、スイス生まれの画家・版画家、Félix Edouard Vallottonの回顧展である。

Vallottonという画家は、これまで知らなかったのだが、1865年生まれ・1925年没。主にパリで活動していたそうだ。印象派のちょっと後の時代になると思うが、その作風は、印象派とは対照的。その画面からは「光」を感じることは少なく、むしろ硬質で冷ややかな雰囲気だ。裸婦を描いた作品も多いのだが、写実的でありながら、あくまでもクール。非常に印象的な作風で、今まで名前を聞いたことが無かったのが、恥ずかしく思えてしまった。

特に印象的だったのは、「ボール」という油彩画。複数の写真を元に一枚の絵に構成したということで、ちょっと非現実的な感じがする構図が、一見、のどかな風景の中に、尋常じゃ無い緊張感をもたらしている。

さらに、この展覧会は、オーディオ・ガイドの充実ぶりが素晴らしかった。有名人を起用するような奇をてらった物では無く、女性ナレーターの的確な語りに、時折、美術館館長の解説が入る構成。分かりやすく、かつ奥深い説明を聞かせてくれる。会場に掲示されている解説文では分からない情報がふんだんにもりこまれており、私のようにVallotton, Who? という人には、必聴のガイドだ。また、防火扉の隅の方に、Vallottonの版画に出てくる人物像を描いたりする茶目っ気もあり、三菱一号館美術館、Good Job!である。



「ここで運を使い果たしてしまったか…」と同僚にぼやいたところ、「その程度で使い果たす運だったら、元々大したことなかったのでは」と言い返され、なるほどなぁ、と思う、今日この頃です。