ようやく、予約していた新カメラ到着。旧モデルに比べ、1200万画素が1600万画素になり、高感度にも強くなったということだけど、私程度の用途では、そういう恩恵はあまり感じません。ただ、操作性の細かい不満の大半が改善されていることには好感触。
最近のIN
国立科学博物館で開催されている特別展を観に行ってきた。
タイトル通り、日本の深海調査の技術解説と深海生物の生態を見せる展示だが、主催にNHKが名を連ねていることから推察されるように、NHKスペシャルで高視聴率を挙げた「ダイオウイカ」人気に乗っかった企画と言って良いだろう。私も、あの番組は夢中になって見たのである。NHKが、男子中学生の大好物、『マッコウクジラ対ダイオウイカの死闘』を本気でカメラに収めようとするとは!(結果的に、マッコウクジラは失敗だったが、あのダイオウイカの『流し目』はTV史に残る映像だ)
ただ、私のようにダイオウイカにはまった人は多いらしく、国立科学博物館の前には長蛇の列。入場まで50分待ち…。
炎天下、延々と並んで、ようやく入館。日本が誇る潜水調査船「しんかい6500」の実物大模型など、深海調査に関わる技術展示も興味深いのだが、いかんせん、人が多い。まあ、夏休みだから仕方ないのだが…
その後、楽しみにしていた深海生物の展示コーナー。以前から見てみたかった鉄の鱗を持つ貝(本当に磁石にもくっつくらしい)「スケーリーフット」の標本など、質・量ともにすばらしい展示ではある。
ただ、ホルマリン漬けの標本が多いのは残念だ。もちろん、これだけの数の深海生物の実物を展示してくれと頼むのは非現実的だが、色も形も、生体からはかなり見劣りする標本ばかり並ぶのは、ちょっとつまらない。目玉のダイオウイカも、天井に吊されている模型は派手だが、実際の標本は写真の通り、シワシワの物体で、いささか興醒め。
NHKスペシャル人気にあやかった浮かれた企画かと思いきや、国立科学博物館の名に恥じない硬派な展示だったという感じだ。入場者が少ない時間帯に、じっくり見て回れば良かった。ただ、売店では、ダイオウイカのぬいぐるみ(実物大も有り!)を売っていて、ここだけは十分に浮かれていたのである。
森美術館の開館十周年記念展を観に行ってきた。
「愛」をテーマに、シャガール、マグリット、フリーダ・カーロから、江戸時代の春画、さらには、デイヴィッド・ホックニー、デミアン・ハースト、ソフィ・カルなどなど、時代も国も作品のタイプも、幅広いラインアップの展示は、十周年記念で見せつける森美術館の底力という感じだ。
ただ、恋愛(男女間だけでなく、マイノリティも含む)・家族愛・人類愛と、多様な「愛」が集められていて、(通底するものがあるというのは分からなくは無いが)ちょっと幅広くなりすぎたかな、という気もする。
そんな中、もっとも印象深かったのは、イラン出身のアーティスト、ゴウハル・ダシュティによる写真シリーズ「今日の生活と戦争」。若い夫婦の日常生活と同じ空間に存在する戦車や有刺鉄線。日本では実感しづらい感覚だが、これが現在の世界のリアルな「愛」の一場面だと感じる。
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作家名/作品名:草間彌生《愛が呼んでいる》
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利 - 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。
一方、写真の草間彌生のインスタレーションのように、「愛」との結びつきが、私にはいまいちピンと来ない作品もあったりしたのだが、これはこれで、数少ない写真撮影OKの作品として楽しい。
ということで、お腹一杯になった展覧会だった。
原美術館で開催中の写真展を観に行ってきた。
坂田栄一郎と言えば、週刊誌「AERA」の表紙を創刊以来手がけてきたことでお馴染み。人物写真の第一人者だ。その彼が、16年間にわたり、真夏の江ノ島で撮りためてきた未発表作40点。そのうち、人物写真は10点のみ。メインは、「人のいないポートレート」。
砂浜に敷かれたレジャーシートの上に雑然と散らばる弁当殻やビーチサンダル、ポーチなどが、大判フィルムの鮮やかな色彩と解像度で写し出されている。遠くから見ると絵画のようであり、近づいてみると生々しい個人の残像が感じられる、興味深い作品群だ。
もう一押し、インパクトが欲しいような気もしたが、盛夏にふさわしい展示だと思う。
なお、久しぶりに訪れた原美術館だが、カフェのメニューにキーマカレーが増えていたのが、ちょっと嬉しい。
ということで、届いたばかりのカメラを持って、ウロウロ。新しい機械は楽しい。ここに載せる程度の写真なら、携帯電話で十分じゃ無いか、というツッコミは無しの方向で。
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