IN/OUT (2005.9.25) |
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二週続けての三連休。6月に日本に戻ってから、これで三度目の三連休ということになります。ほんと、日本は祝日が多い。ありがたい。 が、結局、この三連休×2のうち、計三日出勤。ありがたみを享受できず。日本は忙しい… 最近のIN"Charlie and the Chocolate Factory" (05.09.23)日本に戻って、初の映画館である。行ったのは、品川プリンスシネマ。7年前とは映画館事情は様変わりしていて、すっかりシネマ・コンプレックス全盛になっているのだな。 事前にウェブで予約をしたのだが、その場で席が選べないことにびっくり。これでは、予約の意味が半減ではないか。シンガポールでは、PCの画面上で好きな席を選べ、町中のあちこちにあるAXS端末でいつでも発券できた。他のシネマ・コンプレックスの事情は分からないが、すくなくとも品川プリンスシネマについては、使い勝手はかなり劣っている。 映画は「チャーリーとチョコレート工場」。邦題は、田村隆一訳で原作を愛読していた私には「チョコレート工場の秘密」の方がしっくりくるが、Roald Dahl原作、Tim Burton監督、Johnny Depp主演とくれば、観ない訳にはいかないし、面白くない訳がないのである。 興味の中心は、どこまで原作を忠実に映像化しているかだった。憎たらしいガキを容赦なくひどい目に遭わせ、アフリカから連れてきたピグミー族=ウンパ・ルンパを工場の労働力とする(しかも、給与は現金じゃなくてココアの豆だ)という原作は、Politically Correctにうるさい現代では、そのまま映像にはできないだろう。 果たしてウンパ・ルンパは、アフリカのピグミー族では無くなったが、重要な狂言回しとしてキャラクターを膨らませてある。憎たらしいガキの扱いや、ひどい目にあったガキをはやし立てる歌は原作のまま。Tim Burtonの才気を感じさせる料理法だと感心した。この作品は、1971年にも映画化されている("Willy Wonka & the Chocolate Factory"。ウンパ・ルンパはオレンジ色の顔に緑の髪の小人に!)。1971年版は、当時の特撮技術の限界による原作からの変更点が多いように思う。その点、今回のBurton版は、最新の技術で原作の奇想天外な描写を見事に映像化する一方で、ウンパ・ルンパの故郷を説明するシーンなど、原作本ではなく1971年版を継承している部分もあり、原作の愛読者だけでなく1971年版の映画ファンにも嬉しいリメイクと言えそうだ。 ただし、ワンカ氏のキャラクターを掘り下げた改変は余分だと思う。せっかくDepp氏を起用したのだから、ということもあるのだろうが、取って付けた感はぬぐえない。あと、Burton監督の作品にはいつも言えることだが、ギャグが滑りがちなのがご愛敬か。 映像は期待通り。おなじみ、Danny Elfmanの音楽も例の如しで、十分に楽しめた。個人的には、相変わらず過剰なDepp氏の役作りよりも、ご贔屓の怪女優、Missi Pyle嬢がはまり役なのが嬉しかった。 最近のOUTEpson Aqua Stadium (05.09.23)映画の上映まで時間があったので、隣の水族館を覗いてきた。 トンネル式の水槽や、ペンギンが泳ぐ姿を見せる水槽など、最低限のポイントは押さえているが、あまりにも狭い。水族館好きとしては、失望感マックスである。唯一、マンボウを正面から見ることが出来たのが面白かった。横から見るとおちょぼ口で愛嬌のあるマンボウだが、正面から見ると、暗く深い怒りをたたえた凄みのある表情をしているのだ。 この施設の売りは、イルカ・ショーだが、これも私としては減点要素である。学術性と娯楽性のバランスが水族館の肝だと思っているが、あまりにも娯楽に偏ったイルカの曲芸は不要だと信じている。そもそも、イルカ・ショー自体、芸の間に一々餌を与えているのがうさんくさい。犬だって、飼い主に喜んでもらいたいがためにお手をするではないか。それなのに、一回ジャンプする毎に餌をねだりに来るイルカは、どうなんだろう? 物質的な対価無しには労働をしないというのが、イルカの知性の証という気もするが…。なお、ショー自体、うるさいBGMとイルカの肉体能力に頼るだけで、構成や演出に工夫が見られない凡庸なものだった。 これで1,800円は高すぎる。ターミナル駅のすぐ近くで、夜の8時までイルカ・ショーが見られるのはすごいとは思うが、内容があまりにもお粗末である。 日本の映画館だと、本編終了後も、クレジットが終わるまで席を立たない人が大半なのにも驚きました。シンガポールじゃ、エンド・クレジットになった途端に場内の照明がつき、皆、席を立ちます。 私もかつては、クレジットの最後まで観ることが、作り手に対する礼儀だと思っていました。しかし、シンガポール・スタイルに馴れた今では、つまらない大量の文字列が流れる画面が終わるまでじっと座って待っている人が大半、という状況は、ちょっと気味悪く感じてしまいました。 |