IN/OUT (2001.11.11)

香港へ出張へ行っていました。

Changi空港は、自動小銃を持ち迷彩服に身を包んだ兵隊さんがあちこちに立っているという、剣呑な雰囲気。また、CXの機内では、食事に付いてくる食器のうち、ナイフがプラスチック製になっていました。機内食のナイフを武器にするつもりで計画を立てるテロリストがいるのかは疑問ですが。まぁ、航空会社としてはできる限りのことをやっておくしかないのでしょう。

ただ、思ったほど、空港も飛行機もガラガラということは無く、特に香港空港の出発ロビーは大賑わい。たくましいのか無頓着なのか。


in最近のIN

"The One" (01.11.10)

"Lethal Weapon 4"以降、ハリウッド・スターとしての道を歩みつづけるJet Li主演のアクション映画。週末、そのまま滞在した香港にて鑑賞。因みに、中文タイトルは「最後一強」。

冒頭で、この宇宙は単一の"Universe"ではなく、いくつものパラレル・ワールドが共存する"Multiverse"であるという設定が説明され、これはちゃんしたSFなのか、と思ったが、実は大違い。他の世界で「自分」を殺すと、その生命エネルギーも自分のものとして取りこめるという、少年漫画ノリの設定だった。かくして、すでに123の世界で123人の「自分」を殺し、無敵ともいえるパワーとスピードを獲得した悪玉Jet Liが、Multiverseに残る最後の一人の自分、善玉Jet Liを殺しにやってくるのである。

えーと、説明しちゃうと馬鹿馬鹿しいのだけど、ほんと、文字どおりの意味で、「理屈抜き」に楽しめる快作だった。何より、いきなり示される悪玉Jet Liの強さが半端じゃ無い。もう、笑っちゃうぐらい強くて速い。しかも、話が変に拡散することも、中だるみすることもなく、一気に突っ走る爽快感。クライマックスの対決シーンは、無意味に火花が飛び散ったり、背後で火炎が上がったりする中、ニュートン力学を無視したアクションの応酬。本当に、この人のワイヤー・アクションでの体の切れは素晴らしい。

結局の所、正義の味方とダーク・ヒーロー、一本で二種類のJet Liが楽しめて、しかも、Jet Li同士という夢の対戦が堪能できるという、まさに、彼のプロモーション・ビデオのような映画なのだが、スピード感溢れる演出が全編徹底しているので、ただただ気持ち良い。もっとも、彼は、見る角度によって雰囲気が変わる顔立ちのようで、本当に二枚目なのか、私にはいまいち確信が持てなかったりもする。



結局、土曜日は、映画と、旺角あたりの繁華街を冷やかしたりして過ごしました。シンガポールに無い猥雑さ(セブン・イレブンの店内で堂々とアダルトVCD、しかも、おそらく海賊盤が売られていたり…)には、良い悪いは別にして、逆に心落ち着くものを感じてしまうのは、日本育ちの証かしらん?