先日のことに懲りて、予備の眼鏡をちゃんと作っておくことにした。と言っても、近所の眼鏡屋で作るのはいささか不安がある。こちらの人がかけている眼鏡を観察すると、どうも細工が粗そうなのだ。度の強いレンズでも厚みを目立たなくさせる加工技術なんて、期待できそうにない。
ということで、こういうときに心強い、日本人御用達ショップ、Liang Courtのある「パリミキ」に出かけてきた。このチェーン店、大昔は「眼鏡の三城」と言っていたはずだ。フランスはパリに出店したときに、そのことを随分と誇らしげに宣伝していると思っていたら、店名まで「パリミキ」になってしまった。その安直さが、なんだかトホホな感じがして、日本にいたときには行く気が無かったのだが、今や、日本、フランスだけでなく、全世界に展開、シンガポールだけでも7店舗を構える一大チェーン店。安心感は高い。
いざ行ってみると、さすが、日本人の手際の良い技師が検眼をしてくれ、レンズ選びなどでも適切なアドバイス。検眼の際の細かな受け答えを日本語でできるのはらくちんだ。レンズの在庫が無く、日本の工場に発注するとのことで、時間はかかるが、より安心感アップでもある。
Liang Courtは、大丸がキーテナントして入居しているためか、紀伊国屋書店をはじめ、日本人向けの店舗が集中した商業ビルである。ただ、MRTの駅から遠いため、私は、ほとんど利用したことがなかった。今回、眼鏡屋のついでに大丸の地下食料品売り場も覗いてみたのだが、これはすごい。日本の大手スーパーとほとんど変わらない品揃えもさることながら、お総菜売り場やおせちの特設売り場の充実振りと、そこに集まる日本人駐在員一家の数。シンガポールに来て以来、初めておからを買うことができ、満足して帰宅できた。
それにしても、仕事はともかく、家庭生活に関しては、英語や中国語が一言も話せなくても、シンガポールでなら、日本と同様の暮らしができるよなぁ、と実感した。
世界標準では、明日から21世紀。子供の頃、思い描いていた21世紀とは、なんだか随分違っている気もしますが(そのころ空想していた未来都市には必須だったエアカーとか、実現の兆しも見られないし)、携帯電話やインターネットなんて、想像もできなかったものが一般家庭に入り込んだりして、やはり時代は変わってるんですね。
それにしても、ここ最近、やたらと用いられていた慣用句「世紀末」。世情が明日から急変するとは考えられないだけに、これが使えなくなって困っているライターの人とか多いのかも。