自分は見に行くことができませんでしたが、送っていただいたレポートを掲載しておきます。
2004年6月15日(火) |
2004年6月16日(水) |
出演
こんにちは、矢野顕子ファンの皆さん。6月16日にあったBlue Note New YorkでのJanis Siegelのライブを見てきましたので、久しぶりにレポートさせていただきます。
Janis SiegelはManhattan Transferのメンバーで、ソロでも活動している実力派ジャズ・シンガー。今回のライブは彼女の新しいアルバムのプロモーションをかねたもので、第一級の実力派ミュージシャンをずらりとそろえ、それぞれ違うメンバーで二日間ずつ、計六日行うというスペシャル・プログラムでした。その最初の火曜・水曜にわれらが矢野顕子さんがゲストとして登場したわけですが、この日のメンバーがまた超豪華。ベースに20年越しの盟友Will Lee。1993年のLove Is Here Tour以来のライブ共演となるGil Goldstein。大物ジャズ・ミュージシャンとの共演で注目されている若手女性ドラマー、Kim Thompson。ソウルフルかつパワフルな歌声が魅力のPhoebe Snow。まさにニューヨークでしか聴くことの出来ないバンドです。
僕が行ったのは水曜日の第2セット、このメンバーでの最後のセットでした。ライブはGil、Will、Kimのトリオでの演奏から始まり、1曲終わったところで主役のJanis Siegel登場。Janisは一般的にジャズ・シンガーとして知られていますが、この日の選曲は本人も堂々と宣言していたように全然ジャズではありませんでした。ファンキーなリズムの2曲目、バラードの3曲目と、ステージが盛り上がったところで、顕子さんの登場。Janisに紹介され出てきた彼女はピアノの前に座り、Gilはかわりにアコーディオンにスイッチ。まずはピアノのイントロで始まる力強いナンバー。コーラス毎にメロディを受け渡しつつ、時に見事にハモりながらの演奏です。印象的だったのはピアノのサウンドががらりと変わったこと。Gilのコロコロと丸くあたたかい音にくらべ、顕子さんの音はよりダイナミックでキラキラと輝いているように聞こえました。続いてRandy Newman作曲のバラード。可愛らしいメロディを交互に歌いながらの繊細なハーモニー。バンドはメンバー全員が遊び心に溢れていて、それぞれのプレイが反応しあい、まさに絶妙な会話が紡ぎだされていきます。そして2人の共演最後は何と矢野顕子作詞作曲“また会おね”、しかも日本語です(^^)。顕子さんが歌詞の難しい所を全部担当し、Janisはサビの部分の“忘れない、忘れない~”だけに参加。もう「日本語の歌を歌うのが嬉しくってしょうがない」っていう感じのJanis。普段フォー・ビートのジャズばっかり演奏しているKimが何とも楽しそうにロックを叩いていたのも印象的でした。矢野さんの出番はここで終了、この後一曲を挟んでPhoebe Snowが登場し、彼女とJanisのソウルフルなデュエット3曲でライブは幕を閉じました。
MCによると、Janisはこのメンバーによる火曜水曜のライブを“Girls Night Out”と密かに名付けていたらしく、その名に違わず、個性溢れる女性ボーカル三人による楽しい楽しいライブでした。惜しむらくは、せっかくの機会なのに三人揃っての曲が一つも無かったこと。まぁ、顕子さんとJanisはいい「ご近所さん」の間柄ということなので、二人の共演はこれからも聞けるかもしれません。
New Yorkに暮らしていると、毎年のさとがえる公演を見られないのが個人的に本当に残念なんですが、ここでは顕子さんが暮らしている街ならではの“等身大のYano Akikoの音楽”が楽しめるような気がします。Diary等によると、ライブ会場はいつも自宅から徒歩圏らしいですしね。
6月に続いて来月11日にはまたJoe's Pubでトリオのライブがあります。7月の来日公演に向けてググーッと調子を上げていきそうな顕子さんとそのトリオ、これからも本当に楽しみです。