Why don't you live in Oregon?


Introduction

1998年5月から、1999年1月まで、米国オレゴン州ポートランド郊外で暮らしていました。せっかくなので、日本からアメリカに渡って生活をするための覚え書きみたいなものをまとめてみました。タイトルは偉そうですが、オレゴンに住んでいたのはわずか9ヶ月なので、たいした事は書けそうにありませんが、ご容赦を。


オレゴンって 日本から 準備 米国での手続き 住居
免許 買い物 食事 交通機関 観光・娯楽 お気に入り

オレゴンって

概要
アメリカ合衆国の北西部大平洋岸、Pacific Northwestと呼ばれる地域にオレゴン州(Oregon State)はあります。南はカリフォルニア州。北はワシントン州と接しています。広さは、25万平方キロメートルあり、これは、日本の約7割の面積にあたります。州都はセーラム(Salem)という街ですが、経済の中心はポートランド(Portland)。私が暮らしていた当時、ポートランドと近郊の街を合わせたポートランド・メトロポリタンの人口は約200万人でした。


気候
州を南北に走るカスケイド山脈(Cascade Range)の西側は、雨量が多く緑が濃い海洋性気候の地域で、ここにポートランドは位置しています。一方、カスケイド山脈の東側は乾燥した大陸性気候の地域となっています。

ポートランドの真夏の気温は、摂氏27度ぐらい。30度を超える日は滅多にありません。晴天の日が続く、とても過ごしやすい時期になります。一方、秋から冬、春にかけては雨が降る日が非常に多い。ただし、雨量自体はあまり多くなく、弱いにわか雨が降る日が続くという感じです。冬の寒さはそれほど厳しくなく、氷点下になる日はほとんどありません。雪も、年に4〜5日降る程度です。

あまり寒くはないとはいえ、緯度の高い地域のため、夏と冬の日照時間はかなり違います。夏時間(Daylight Saving Time)を採用していることもあり、夏場は夜の9時過ぎまで明るい状態が続きますが、冬には午後4時半ぐらいには暗くなってしまいます。


経済
この地域の伝統産業は、農業と林業でした。近年、半導体産業をはじめとするハイテク産業の進出が盛んで、シリコン・フォレスト(Silicon Forest)と呼ばれるほどの状況となりました。もっとも、ちょうど私が暮らしていた1998年頃には、アジアの半導体メーカーの不況がかなり暗い影響を与えていましたが

また、忘れてならない産業としては、ワインと地ビール(Micro Breweries)があります。気候条件と豊富な水のおかげで、質の高いワイン(特に Pinot Noir種の赤ワインが有名)とビールが作られています。


ポートランド・メトロ
ポートランド(Portland)市と、近郊の町を合わせてポートランド・メトロ(Portlnad Metro)と称します。ポートランド以外の町も、市(City)ですが、日本の感覚で言うと随分小さい気がします。ポートランド・メトロの中心部をダウンタウン(Downtown)と呼び、そこを中心に北東(Northeast = NE)、北西(Northwest=NW)、南東(Southeast = SE)、南西(Southwest = SW)の4っつの地域に分けられます。だいたい、バーンサイド(Burnside St.)が南北の境界、ウィラメット川(Willamette River)とI405(高速道路)が東西の境界になります。各通りの名前は、このNE、NW、SE、SW、を頭に付けて、表記されます。また、ダウンタウンをDTと表記することもよくあります。

ダウンタウンは、徒歩ですぐに歩き回れる程度の狭い範囲です。碁盤の目状に道路が走り、南北の道がアヴェニュー(Avenue)、東西の道がストリート(Street)となっています。Avenueは、ウィラメット川沿いから順に、Front Ave.、1st Ave.、2nd Ave.と番号が付きますが、7番目の通りはBroadway、8番目はPark Ave.という名前になっています。そこから、また9th Ave.、10th Ave.と番号が続いています。ストリートの方には、そのような名前の付け方の法則は無いので、覚えるか地図に頼るかしかありません。

ダウンタウン自体の治安はそれほど悪くありません。普通に歩いている分には、何も問題ありません。が、ウィラメット川を越えた東側やバーンサイドより北の方は、やや物騒になります。もちろん、スラムや犯罪多発地域、というような酷さではないので、あまり怖がる必要は無いでしょうが、特に夜になってからダウンタウンを歩いていて、つい、バーンサイドを越えたりすると、危ない目に遭う確率が高くなると思っておいた方が良いでしょう。



日本から top

日本からポートランドへの直行便は、1999年1月現在、デルタ航空(Delta Air Lines)しかありません。成田、名古屋、福岡に、それぞれ毎日一便、飛んでいたと思います。

飛行時間は、成田からポートランドが9時間ほど、ポートランドから成田が10時間半ほど。時差が17時間あるため、成田から向かうときには、夕方6時半に出て、その日の午前10時半に到着。ポートランドからだと、昼の1時に出て、成田には翌日の夕方4時半頃に着くことになります。


準備 top

日本から引っ越す場合、普通の国内引っ越しと同様、電気やガス、水道、NHK、郵便局等に連絡することが、もちろん必要ですが、海外引っ越しならではの手続きも必要です。
住民票
まず、市役所に行き住民票を抜くことになります。もっとも、これは気が抜けるほど簡単で、窓口にお願いすればすぐに終わります。「こんな簡単な手続きで税金を払わなくて良くなるの??」と、いささかびっくりしてしまいます。

NTT
NTTに関しては、完全に解約するのではなく、加入権を休止状態にしておいてもらうことができます。米国に永住してしまうのなら完全解約でしょうが、数年後に日本に戻ってくるつもりなら、休止にしておいた方が便利だと思います。


銀行
海外のATMから日本の口座に入っているお金を現地通貨で引き出したり、振り替えをFAXで依頼できたりするような、海外赴任者用のサービスが色々とあるようです。銀行毎に、サービス内容が違いますが、相談してみる価値大です。


VISA
出国前に、米国のVISAを取得する必要もあります。渡米の目的によって、色々な種類があるのですが、私は、E2と呼ばれるタイプのVISAを取得しました。

手順としては、まず、現地移民局に質問書等を提出し、許可が出ると、在日米国大使館へ 申請することになります。申請時のポイントは、「なぜ自分が赴任するのか」、「その業務は米国人では務まらないのか」を、うまく説得するような文章を作るということでしょうか。


健康診断
アメリカならば医療設備も整っているので、それほど心配する必要はないかもしれませんが、やはり、渡米直後の生活も立ち上がっていない時期に病院へ行く羽目になるのは避けたいところです。


運送業者の手配。荷物の整理
自分の持ち物を、
  • 10日から2週間程度で届くけど割高の航空便で運ぶもの(比較的早くから必要なもの)
  • 安いけれど1ヶ月以上かかる船便にするもの(当座は必要ないもの)
  • 手荷物として自分で運ぶもの(すぐに使うもの)
  • 日本のトランク・ルームに預けるもの(大物家具)
  • 人に譲渡するなり廃棄するなりしてしまうもの
にきちんと分類をしておけば、大手の運送業者なら、海外引っ越しのノウハウをちゃんと持っているので、安心して任せられるでしょう。


プロバイダ
海外からでも、通信料金を気にせずにコミュニケートできる電子メールは、中断期間無しに使いたいものです。ローミング・サービスを行っているプロバイダや、海外にもアクセスポイントがあるプロバイダを探して、日本にいる間に契約と、接続の設定を済ませておけば安心です。米国ならば、電話のモジュラージャックが日本と同じ形状、電源コンセントもほぼ同じ。PCの電源が120Vの電圧に対応していることさえ確認しておけば、日本と同じ機器を使うことができるのも、ありがたいところです。

もちろん、米国には日本よりも割安なプロバイダが沢山あるので、渡米後にそうしたところをじっくり選んだ方がお得なのは言うまでもありません。米国プロバイダのアクセスポイントだけ使って、メールサーバーは日本のプロバイダのものを使い続けるというのも、アドレスが変わらないのでお勧めです。



米国での手続き top

Social Security Number
米国内で働いて収入を得る場合、このソーシャル・セキュリティ番号を取得することが必要です。これが無いと、運転免許証取得も、銀行口座開設もできません。そして、この番号が、米国で暮らす限り、一生、必要になるのです。

取得するためには、近くのSocial Security Administrationにパスポートを持って行かなければなりません。この時に限らず、米国で色々な申請をするときに聞かれて、一瞬とまどうのが、"maiden name"、実家の名字です。私の場合だと、母親の結婚前の名字を答えることになります。

申し込み後、二週間ほどでSocial Security Cardが届きますが、それまで待っていたら、他の手続きに支障が出てしまいます。そのため、番号だけを先に電話で教えてもらえうことが可能になっているはずです。なお、送られてくるカード、一生必要、という割には、なんともしょぼい物で、なんか、がっかりしてしまいます。


銀行口座開設
銀行に口座を開くことも、米国生活では必須条件です。クレジットカードは日本の物を使い続けることができるとしても、小切手の発行ができないと、日常生活に支障が出てしまいます

口座開設にあたっては、前述のSocial Security Numberが必須です。金融の自由化が進んでいるだけに、口座には沢山の種類があって、戸惑ってしまいますが、最低、小切手発行用のChecking Accountが必要です。さらに、金利の良い Saving AccountやMarket Rate Accountを持っておくと良いと思います。日本じゃ考えられないほど、どんどん利息がたまっていきます。ただし、口座の種類によっては、最低限度の残高を維持しておかないと、手数料を取られるものがあるので、開設時に、よく検討することが必要です。

ATMは、銀行だけでなく、スーパーマーケットやレストランの中など、街中のあちこちにあるし、24時間365日稼働。また、キャッシュカードは、ATMからの引き出しだけでなく、デビットカード(Debit Card、クレジットカードのように店頭での支払いに使用できるが、その場で即、口座から使用額が引き落とされる)としても使用可能です。

また、インターネットを通して、ブラウザから残高確認や口座振替のできるオンラインサービスを行っている銀行も多く、申し込んでおくと便利です。小切手を使う機会が多いため、残高管理を慎重に行う必要があるだけでなく、銀行の窓口での事務は、日本では考えられないようなミスを、本当にしょっちゅうするので、常に、口座の状況を確認しておく必要があるのです。


クレジットカード
クレジットカードは、単なる支払い手段というだけでなく、支払い能力の証明という意味もあるので、米国生活の必須アイテムと言えるでしょう。MasterやVisaと提携した銀行のカードを申し込むのが手っ取り早いのですが、引っ越してきたばかりの日本人には、過去の履歴(Credit History)が無いという問題があります。

この場合、一般的なのは、保証金を口座に預け、その範囲内でのみ使用可能なカードを発行してもらうという方法です。そのカードで1〜2年、確実な支払いの実績を築き、普通のカードへ切り替えてもらうということになります。保証金として手を着けずに置いておけるお金も含め、渡米時には、かなりまとまった額の現金を持ってきた方が良いということになります。会社勤めの人なら、社長なりに銀行宛のレターを書いてもらい、普通のクレジットカードの発行をお願いする、という強引な技も使えるでしょう。



住居 top

土地の値段が圧倒的に安い米国。この際、一戸建てを買っちゃう、というのも良いのかもしれませんが、私が経験で書けるのは、アパートを借りる、ということだけです。ご勘弁。
アパートを探す
まずは、自分の住みたいエリアの目星をつけ、自分なりの条件を書き出しておきます。次に、スーパーマーケットなどに置いてあるフリーの住宅情報誌を持って帰り、条件に合う物件を探し、実際に見に行く、という手順が一般的です。

一般的なアパートの場合、冷蔵庫、電気コンロ、オーブン、食器洗い機、洗濯機、乾燥機が備え付けになっています。ガスが使える所はほとんどありません。ウォークイン・クローゼットは当たり前。暖炉のあるアパートも多いので、雰囲気重視(停電の時にも助かりますが)の方はチェックしておくと良いでしょう。それから、自分で料理を作るつもりの人は、キッチンの換気扇のチェックをお忘れなく。屋外に換気するのではなく、フィルターを通して空気を循環させるだけのファンが、結構あります。こういうタイプだと、焼き魚みたいな煙が出る料理をしたら、火災報知器が反応してしまうことも起こり得ます。

ポートランドエリアの場合、お勧めは、南西部(Southwest)。治安が良いのが最大の理由です。特に、高級住宅地であるレイク・オスウェゴ(Lake Oswego)あたりは、街並みの雰囲気が非常に良いと思います。大型日本食スーパー、宇和島屋(Uwajimaya)があるビーバートン(Beaverton)や、日本人学校があるテュアラティン(Tualatin)も便利でしょう。

実際に見に行ったら、管理人棟を訪れ、部屋を見せてもらいます。どのアパートも綺麗で広くて、日本のアパートの印象とはあまりにも違うので、つい、すぐに契約してしまいそうになっちゃいますが、何軒かまわってじっくり選ぶのが良いのは、言うまでもありません。

さて、気に入った物件が見つかって、いざ契約、という時にも、クレジット・カードのときと同様、Credit Historyが無いことが障害になる場合があります。アパートの管理会社がクレジット会社に信用照会を行い、米国内でクレジット・カードの支払い履歴が見つからないので、「不適格」との烙印を押されてしまうことがあるのです。きちんと事情を説明するなり、会社の人に身元保証のレターを書いてもらうなどの対応が必要になってしまいます。

入居時には、家賃の他に、Security Depositという保証金のようなものが必要になりますが、日本での敷金・礼金のように高いものではありません。家賃は、毎月小切手で支払うのが一般的です。アパートによって、水道代が家賃に含まれている場合と、水道代は別に請求が来る場合があるので、事前に確認しておく必要があります。


電気
アパートの入居日が決まれば、地域の電力会社(PGE)に連絡する必要があります。

月々の支払いは、郵送されてくる請求書に対して小切手を送り返すという方法が一般的です。


電話
電話も、入居日からすぐに使えるように手配しておくにこしたことはありません。ポートランドでは、地域電話会社にはGTEとUS Westの2社があるようです。

電話の申し込みに際しては、日本での加入権のような馬鹿高い制度はありません。ただし、申し込み時に、長距離電話会社はどこを使うか、とか、キャッチホン(call waiting)等の各種オプションをどうするか、など、いろいろと質問されるので、覚悟しておくように...

月々の支払いは、やはり、郵送されてくる請求書に対して小切手を送り返すという方法が一般的です。支払いの度に郵便を出す必要が有るわけで、常に切手のストックを持っておくことも米国生活では大切ですね。


新聞
米国には、日本の三大新聞のような、巨大な全国紙というものはありません。あくまでもローカル紙が基本です。オレゴンのローカル紙と言えば、オレゴニアン(The Oregonian)です。

アパートに引っ越すと、情報を聞きつけて新聞の勧誘が来ると思います。日本のような、押しの強い販売員じゃなくて、まだ小学生のような子供が来ることが多く、かえって断りにくかったりします。

毎日宅配される新聞は、かなりの分量があります。特に週末は山ほどの広告が折り込まれるので、すごい量になります。ここで、面倒がらずに安売り情報をチェックし、クーポンを切り抜いておくのが賢い暮らし方というものでしょう。また、金曜日に折り込まれる"A&E"は、グルメ情報やエンターテインメント情報が満載で、「ぴあ」のような情報誌が無いポートランドでは、貴重な情報源です。


テレビ
アパートによっては、最初からケーブルテレビのセッティングがされているところもあります。そうじゃないところでも、その地域を担当しているケーブル会社の連絡先は、アパート契約時に説明してもらえると思います。やはり、米国でテレビを見るからには、地上波だけではもったいないでしょう。(もっとも、私は、結局ケーブルも地上波も見ない生活を送っていましたが


免許 top

車が無いと、社会生活を営むことが非常に困難なだけでなく、自動車運転免許は写真付きの身分証明として、いたるところで必要になります。お酒を買うとき、ビデオを借りるとき、飛行機に乗るとき.......。早めに近所のDMV(Driver and Motor Vehicle Services)に行って、"Oregon Driver's Manual"を入手し、交通法規の勉強を始めましょう。
学科試験
試験の申し込みはDMVの窓口で行います。身元と住所を証明するものが要求されるので、Social Security Cardとパスポート、自分の住所宛の郵便物(請求書関係が望ましい)、等を用意しておきます。

申し込みが済めば、早速、学科試験(Knowldge Test)があります。全25問で、19問正解でパス。普通のペーパーテスト形式じゃなくて、ビデオで出題し、画面のタッチスクリーンを押して回答するという、テレビゲームのような形式を選ぶこともできます。なお、オレゴンでは、日本語での試験サービスはありませんでした。

学科試験が終われば視力検査(Vision Screening)と交通標識の識別試験(Sign Recognition Test)があります。これが終われば、仮免許(Instruction Permit Driver License)を発行してもらえます。これで、助手席に免許を持っている人が同乗していれば、町中でも車を運転することができます。


教習
日本で免許を持っていた人なら、学科に通った時点で、実技試験に挑戦しても大丈夫だと思いますが、私は日本では免許を持っていなかったので、教習を受けました。

助手席にもブレーキがついた教習車で、インストラクターが横に乗って指導してくれるわけですが、教習所のようなところがある訳じゃありません。いきなり、一般道を運転です。テクニック云々というよりは、とにかく慣れること、を主眼においた教習だと思います。ただ、噂に聞く日本の自動車学校の教官と違い、こちらのインストラクターは、サービス業であるという意識が徹底しているのか、非常に応対が良いのがありがたいところです。


実技
実技試験は、前もって電話なりで予約を入れてから、DMVに行って、自分の車に試験官を乗せて行われます。

試験の前に、ブレーキランプが点くか、方向指示器が点くか、ホーンが鳴るか、など車の装備の点検を行い、いざ出発。試験官の指示に従って15分ほど車を走らせるだけです。安全確認とスピードに注意を払っておけば、それほど難しい要求はされません。とはいえ、私は、一回目不合格で、二度目に合格しましたが......。4回落ちてしまうと、5回目の受験まで一年、間隔を置く必要があります。

合格すれば、ついに免許の発行。写真を撮るときには、米国風に、思いっきり笑顔を見せちゃいましょう。



買い物 top

オレゴン州にはSales Taxがありません。8%以上の高い税金をチャージされる州も多い中、これは大きなメリットです。
モール
日常の買い物は、近くのモールを利用することになるでしょう。道路沿いに、駐車場を囲むようにスーパーや専門店等の大型店やファストフードショップが並んでいるモールがそこここにあります。

スーパーでの買い物の仕方は、基本的には日本と一緒です。現金だけじゃなく、クレジットカード、デビットカード、小切手で支払う人もたくさんいます。スーパー毎に会員制の割り引きカードがあったりするので、普段利用するところでは、会員になっておくのが便利です。なお、日本の一部のスーパーでは、レジの後、客が自分で商品の袋詰めをしなければいけませんが、こちらでは店員が袋詰めしてくれるのが普通です。

店によっては、レジで
Paper or Plastic?
と尋ねられることがありますが、これは、商品を詰めてくれる袋の種類を、紙袋かビニール、どちらにするか、という意味です。Plastic please、なり、Paper please、なり、お好きな方を答えてください。

また、レジで、ZIPコードを尋ねられることがあります。郵便番号なんて日本のお店では質問されることがまずあり得ないですから、初めての時は戸惑ってしまいます。どうやら、顧客管理というか、データ収集の目的で聞いているのだと思われます。

重さの単位が日本とは違うので、値札の表示にちょっと戸惑うことがあるかもしれません。
lb.というのはポンド(454g)
oz.はオンス(重さは28g、液体だと30ml)
ea.は個(each)
をそれぞれ意味しています。


ダウンタウン
4th Ave.と5th Ave.、Morrison St.とYamhill St.の間にあるパイオニア・プレイス(Pioneer Place)は、多数の専門店が入居しているビルで人気があります。Williams-Sonomaや、Pottery Barn、Danskといった食器屋が並ぶ3階と、気楽に注文できる食べ物屋が並ぶ地階は、よく利用していました。1999年1月現在、3rd Ave.にも拡張工事をしていたので、さらに人気が高まりそうです。

6th Ave.にあるNike Townも、有名店です。規模はあまり大きくありませんが、ナイキ本社(Oregon州 Beaverton)のお膝元ですから、好きな人には嬉しいお店でしょう。

いくつかのデパート(Nordstrom、Meier & Frankなど)もありますが、日本のデパートのような、何でも揃う大型店、という印象で訪れると、ちょっとがっかりするかもしれません。

基本的には、まとまった買い物なら、ダウンタウンよりも、ワシントンスクエア(Wasington Square)やロイドセンター(Loyd Center)等の巨大モールに行く方が便利です。その代わり、ちょっと洒落た小さな店を探すのがダウンタウンの楽しみかもしれません。また、ダウンタウンから少し離れた、Northwest 23rd界隈(Nob Hillとも呼ばれますにも色々な店が集まり、新しいショッピング・スポットとして人気があるようです。


日本のもの
普通のスーパーでも意外に日本の食材は売っています。が、薄切りの肉をはじめ、一般店では手に入らない物も沢山あります。安全(Anzen)と宇和島屋(Uwajimaya)の二つが代表的な日本食スーパーですが、品揃え・品質で言えば、宇和島屋の方が大きくリードしていると思います。217とBeaverton-Hillsdale Highwayの交差点近くにある宇和島屋プラザには、書籍・CDの紀伊国屋書店、旅行代理店のAzumano Travelもあって、日本人なら一度は足を運ぶことになると思います。


アウトレット
99Wを海岸方向にずっといったところにあるリンカーン・シティ(Lincoln City)には、ファクトリー・アウトレット(Factory Outlet)の店が集まっています。外観上、やや問題有り、ということで、通常店に卸されなかったブランド品が、メーカーの工場直送で、格安の値段で販売されています。ここの他にもいくつか、アウトレットのモールはあります。



食事 top

特に、名物料理というものが有る訳では無いと思いますが、有名な食材としては、鮭(Salmon)、チョウザメ(sturgeon)いったところでしょうか。結局、9ヶ月の滞在では、あまりお店に詳しくなる間も無かったので、印象深かった店の名前だけ挙げておきます。いずれも、それほど値段が高くなく、肩の凝らない雰囲気で、味も比較的まともなところです。
マラケッシュ(Marrakech)
モロッコ料理屋。床に腰を下ろし手づかみで食べる、本格的な雰囲気。


ニューポート・ベイ(Newport Bay Riverplace)
ウィラメット川に浮かぶレストラン。系列店はいくつかあるようだが、やはり、ロケーションから言って、ここがベスト。シーフードがメイン。


ジェイクス(Jake's Famous Crawfish)
ここもシーフードが有名。ジェイクスは、ステーキの店など何店舗かダウンタウン内に展開しているけど、やはり、一番歴史があるこの店でしょう。


日本料理屋
はっきり言って、美味しいと言える日本料理屋には巡り会えませんでした。ダウンタウン内にある有名店で、ましな順に挙げるなら
こうじ大阪屋 > 膳(Zen) > 武士亭(Bush Garden)
と言ったところでしょうか。



交通機関 top

自家用車
基本的には、日常の移動には自家用車が全て、と思って間違いはありません。日本と違って、歩行者や自転車、原付が滅多に通っていないし、道幅も広く、運転自体は楽だと思います。ダウンタウン内の道が原則一方通行、という事さえ慣れてしまば、問題ありません。

交通法規を守った安全運転は当然の事ですが、万一、パトカーに止められたら、不審な行動を取らないよう、注意して下さい。スピード違反などを見つけたパトカーは、後ろから近づいてきて止まるように指示しますが、すぐに警官が降りては来ません。しばらく、こちらの様子を伺うのです。数分して、こちらが銃を振り回したり、変なことをしそうにない、と判断するとようやくパトカーから警官が降りてやってきます。この後、免許を出すときでも、急に懐に手を突っ込んだりして警官を驚かさないように。下手な動きをすると、銃を取り出そうとしている勘違いされて、とんでもないことになってしまうかもしれません。


Tri-Met
公共交通機関としては、Tri-Met(公営の組織です)が運行している簡易鉄道のMAXバスがあります。1999年現在、MAXはヒルズボロウ(Hillsboro)とグレシャム(Gresham)を結ぶ一路線のみ。バスは、かなり多くの路線があります。スーパーマーケットに近隣のバス路線図を置いてあったりするので、チェックしておくと便利です。どちらも、ダウンタウン内なら乗り降り無料。あとはゾーン毎の料金になっているので、MAXなら自動券売機で確認を。バスなら運転手に尋ねれば、乗降の仕方自体はすぐに分かると思います。


タクシー
流しのタクシーはいません。電話で呼ぶなり、ホテルのフロントなどで呼んでもらうことになります。


飛行機
空港に行ったら、航空会社のカウンタに並んで(日本みたいに窓口毎に列を作るのじゃなくて、一列で並ぶのがこちらの常識)チェックインし、搭乗口へ、という手順は同じです。国内線に乗る場合は、チェックイン時に運転免許写真付きidの提示を求められます。国際線の場合も、国内線との違いは、チェックイン時にパスポート(と入国時に記入したI-94の半券)を見せる事だけで、出国審査のような面倒な手続きはありません

いざ飛行機に搭乗するとき、注意が必要なのは、順序を守って搭乗する必要があるという事です。係員が、「ファーストクラス・ビジネスクラス・航空会社の特別プログラムの会員、2歳以下の子供連れ、体の不自由な人」を最初に、続いて、座席の列番号(Row Number)の後ろから順にアナウンスするので、何番の座席の人が搭乗できるのか、ちゃんと聞いておかないと、恥をかきます。

国際線の出国は気が抜けるほど簡単ですが、入国審査は結構厳しいです。VISAを持ったビジネスマンなら問題は少ないでしょうが、VISA無しのビジネスマン、観光目的の若いに女性には、特にうるさく色々聞いてくるようなので、心構えが必要です。入国が認められず強制送還される人は決して少なくありません。そういう話を聞く度に、滞在目的、滞在期間、滞在場所(変に真面目に個人の住所を答えるよりは有名ホテルに予約を入れてあると言っちゃった方が話が早いと思う)ぐらい、確実に英語で受け答えできないようなら、最初から米国に来ない方が良いと思ってしまいます。


鉄道
アムトラック(AMTRAK)の駅があり、シアトルなどへ行けるらしいのですが、私は利用したことがないので、詳細を書くことができません。ただ、本数が少なく、予約が必要らしく、日本のように、気軽にいつでも切符を買って飛び乗る、という訳にはいかないようです。



観光・娯楽 top

実は、在オレゴン9ヶ月、こっちで免許を取って、ようやく運転に慣れた頃にオレゴンを離れることになってしまい、Oregon CoastやMt.Hood等の有名観光地には全く行っていません。ということで、書けるネタがほとんど無いんです。

遠出をしたことが無い、ということは、ダウンタウン近辺をうろうろしてばかりだったのですが、6月後半からのRose Festivalの頃は、花火大会やパレードなど、催し物が色々ありますし、夏の間はWater Front Parkあたりでイベントが開かれることも多く、それなりに退屈はしません。

また、映画料金が安いのも米国の良いところです。特に、昼間の料金は3.5ドルぐらい(夕方からは倍に値段が跳ね上がるところが多い)。映画館の数も多く、10館ぐらいがまとまって入っている大きなシアターがあちこちにあります。安く、日本よりも早く、ハリウッド映画を見られるのは魅力ですが、もちろん、日本で言うところの単館系の渋い映画や、外国映画を扱っているところも、探せばあります。また、英語に自信がなければ、ビデオやDVDという手があります。こちらのテレビ・ビデオは全てキャプション(字幕)表示機能が付いています。もちろん「英語」の字幕ですが、これがあれば、ずいぶんと理解しやすくなるはずです。因みに、たとえトークショーの生放送でも、同時にキーボードを叩いている人がいるらしく、アナウンサーが喋った言葉が数秒後には画面に表示されます。

一応、こちらで一般的なレジャーと言えば、釣り、スキー(Mt. Hoodではかなり長期間に渡って滑れます)、キャンプ、ゴルフ、といったところのようです。結局、どれもやらなかった......


お気に入り top

その他、オレゴンで気に入ったもの、気になったものをアト・ランダムに挙げておきます。
Domaine Drouhin
赤ワインです。オレゴン産のPinot Noir(ブドウの品種)は定評のあるところですが、中でも有名なのがこれ。私のように、ワイン通じゃない人間でも、これは美味しいと思います。

ポートランド周辺には、ワイナリーが沢山あります。試飲させてくれるところも多いので、好きな人にはワイナリー巡りも楽しそうですね。


WIDMER
Micro Breweryです。ちょっと濁っていて、レモンを添えて出されるのが一般的。日本ではあまり味わえないタイプのビールですが、口当たりが良くて美味しいです。


Z100
FM局「ズィーワンハンドレッド」。100.3Mhz。ヒット曲中心の局です。曲の合間は、能天気なDJとノリのよいリスナーの掛け合い。一日中、同じようなテンションで同じ曲ばかりかかっていますが、聞き流すには最適だと思います。


Sports Bar
これは、別にオレゴン独自と言う訳じゃなくて、米国で一般的なBarの一つの形態です。

初めてこの言葉を聞いたときには、フィットネス・クラブが併設されているバーのことか? と思ったのですが、何のことは無い、テレビでスポーツ中継を流しているバーのことでした。日本でスポーツ中継というと、夏にプロ野球、たまぁにサッカー試合を放送する程度ですが、米国では野球にバスケット、アイスホッケーにアメリカン・フットボール、一年中、プロとカレッジの試合が中継されているので、バーの店内には複数のテレビで違うスポーツが放送されていることもよくあります。

基本的には、バーに行くにも車で行くお国柄ですから、どろどろに酔っぱらうまで飲むような飲み方は似合いません。こういう店で、騒ぎながら飲むのが良いんです。それにしても、プレーの間といい、盛り上がりかたといい、アメリカン・フットボールはこういう時にぴったりのゲームだとつくづく思いました。



うむむ、こうやって書き出してみると、「生活を立ち上げた」だけで、これから生活を楽しもう、というところでもう引っ越し、という事を改めて思い知らされちゃいました。会社の都合で仕方ないとは言え、もったいない。あるいは、滞在期間が短かったからこそ、嫌な面を見ることもなく、良い印象ばかりを持てたのかもしれませんが。

ということで、肝心の観光とかそういったお楽しみは、自分で見つけて下さい。もちろん、ご質問をいただければ、覚えている範囲でお答えしますが.....


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