Why don't you go to Kenya?


Introduction

ケニアって、日本人の海外旅行先としてはマイナーですが、なかなか良いとこです。私も二回しか行った事が無いのであまり偉そうなことも言えないのですが、とりあえず旅のヒントなどを書いてみようかと思います。なお、私の場合は、ケニアに青年海外協力隊員の友人がいたので、いわゆるパックツアーに参加した訳ではありません。そのため、普通にツアーに参加しようという人にはあまり参考にならない話しかもしれませんが御容赦を。

ルートについて 準備 ホテル 食べ物
交通機関 サファリ 言葉 その他 ホームステイ

ルートについて

私が行った当時、残念ながら、日本からの直行便はありませんでした。当時の代表的なルートを挙げておきます。今も、ケニア・日本の直行便は無いはずですが、ルートについては、もっと選択肢が増えているかもしれません。
ヨーロッパ経由
最も本数が多く便利なのが英国航空(BA)です。乗り継ぎ地はロンドンになります。他にも、ヨーロッパのメジャーキャリアの多くがナイロビ便を運行しているので、行きand/or帰りにヨーロッパ観光を組み合わせる事も可能です。ただし、運賃が高いのが難点です。

インド、パキスタン経由
運賃の安さから利用者が多いのが、ボンベイ経由のエアインディア(AI)とカラチ経由のパキスタン航空(PK)です。乗り継ぎ地で一泊する必要がある場合がほとんどなので時間はかかりますが、航空会社の用意したホテルに泊まるので身体が休まるというメリットもあります。私は一度、エアインディアを利用しましたが、日本からボンベイまでと、ボンベイからナイロビまででは、乗客及び乗務員の雰囲気、機内食、上映される映画等ががらりと変わります。インド映画&インドMTVは、言葉がよく分からなくても見ているだけで脳味噌が溶けてしまいそうな強烈なインパクトでした。

香港・ヨハネスブルグ経由
95年に私が使ったルートです。香港までキャセイパシフィック(CX)、香港からヨハネスブルグ(英語読みだとジョハネスバーグ)まで南アフリカ航空(SA)を使いました。ジョハネスバーグから直にナイロビに入るのはもったいないので、私は途中にビクトリアフォールズとハラレ(どちらもジンバブエ)を経由しました。時間はかかりますが、南ア・ジンバブエ・ケニアとそれぞれ雰囲気の違う国を味わえて、結構お勧めのルートです。

特にビクトリア・フォールズは、「滝」というものの概念を根底から覆されるほどの強烈な印象を与えてくれると思います。その圧倒的な水量は、滝壺から遠く離れた対岸に雨林を形成するほどで、太陽が燦々と照るのに豪雨という凄い遊歩道を散策することができます。防水仕様じゃ無いカメラは確実に壊れます。ご注意を。


準備 top

予防接種
経由地によっても違いがあるみたいなので旅行代理店に何が必要か確認した方が良いと思います。私は、黄熱病(一度注射すれば十年有効)、コレラ(一週間、間隔を空けて二度注射。半年有効)、免疫グロブリン(肝炎予防)を接種しました。それぞれ間を空けて打たなくてはならないので、早めに病院に相談してスケジュールを組んだ方が良いです。受け付けてくれる病院はパスポート発行所の近くにあるはずです。

あと、心配されるのがマラリアです。臨床経験のある日本の医師は少ないので、帰国してから発病した場合、適切な処置が取られず重大な結果を招く事もあるので要注意です。が、予防注射というものは存在しません。予防薬(旅行代理店や予防接種をする病院で入手できる場合有り、現地で購入するという手も有る)や抗生物質を毎日服用するという手段もありますが、副作用もあるので注意が必要です。

服装
よく言われる事ですが、ケニアといっても一日中暑い訳ではありません。特にナイロビは高地にあるので朝晩は結構涼しくなります。軽い上着を持っていった方が良いです。また、靴は汚れてもいい運動靴を。

因みに、マラリアを予防する最大のポイントである蚊を寄せ付けないためには、長袖のシャツに長ズボンが良いでしょうね。マラリアを媒介する蚊は、黒い色を好み、低いところを飛ぶので、足元は白にすることで、リスクを軽減できます。

携行品
蚊取り線香は必需品でしょう。虫除けスプレーもあれば安心。サファリにいくならカメラもいりますね。どうせならズームレンズ付きの一眼レフが、双眼鏡代わりにもなって便利です。


ホテル top

私が泊まったのは、ナイロビのニュースタンレーホテル、キスムのロイヤルホテル、マサイマラのキーコロッコロッジ、ニエリのアウトスパンホテル、ジ・アーク等です。元はイギリスの植民地なだけに、リゾート地にあるホテルは結構立派です。値段も、特にナイロビのホテルは高いです。ただし、いくら高くても、お風呂のお湯が出るとは限りません。というか、私の経験では、出ない確率の方が高い。超一流ホテルに泊まれば別でしょうけど。(ニュースタンレーもランクは高い方ではあるのですが...)国立公園にあるロッジにはバスタブは無くシャワーのみが一般的です。

食べ物 top

普通にホテルなどを利用している限りは、ごく当たり前の洋食が中心です。ナイロビ市内にはしまうまなんかのステーキを食わせる店もあるようですが。観光客向けの「ケニア料理店」というものが存在するのかは知りません。

じゃあ、一般の人が食べている「普通のケニア料理」というものがどんなものなのか、私の経験から挙げてみましょう。まず、手を使って食べるため、食事の前に手を洗います。水道の無い田舎の家でも、水を入れたボウルを持ってきてくれます。日本のごはんに相当するものが「ウガリ」。これはとうもろこしの粉(カッサバ等を使う事も有り)を蒸したもので、見た目はおからの山盛りのような感じです。おかずは、牛肉や魚をトマトやスクマ(ほうれん草みたいな野菜)とスープで煮込んだもの。ウガリを手で取り、スープにつけて食べる。というのが一般的なようです。写真がまさにこのパターン。ウガリの代わりに、米のご飯やチャパティ、等が出る事もあります。味付けは塩味のみで、変なくせが無い分、比較的食べやすいと感じます。もっと、ゲテモノがお好みの方には、羽アリはいかがでしょう。羽をむしっていったものがおやつとして売られています。生きてるのを捕まえて生で食べてもOK。私は試していませんが。


交通機関 top

まあ、普通はツアーに参加するでしょうから、公共交通機関を利用することは無いとは思いますが御参考に。

ナイロビ市内では、タクシーが便利でしょう。メーターはついてないので乗る前に値段交渉します。日本人はぼられやすいのですが、現地の相場が分からない旅行者の場合は、うまく値切るのは難しいですね。ただし、安直に妥協して高い値段で手を打つことは、彼らに「日本人は高い料金でも払う」という印象を与えてしまい、現地で暮らしている日本の方々に、結果的に迷惑をかけてしまうことにもなります。やはり、ここは気合いを入れて値切ってみたいところです。バスも走っていますが、路線とかが観光客には分かりにくいので乗りにくいです。また、混雑しているバス、特に空港から市内に向かうバスはすり・ひったくりの手合いが多く、荷物を抱えた日本人は狙われやすいので注意が必要です。

地方への足となると、大型のバス、「ニッサン」と呼ばれるコーチ、「プジョー」と呼ばれる乗り合いのバン、「マタトゥ」と呼ばれる小型のバスのようなもの、鉄道、飛行機といったものが利用できます。もちろん、一番速くて快適なのは飛行機です。鉄道は、いまいち時間が不正確なのと、車内にすりや睡眠薬強盗が出るらしいことを除けば、比較的快適らしいのですが、私は利用したことがないので何とも言えません。

私が利用したのは、主に「ニッサン」と「プジョー」ですが、どちらも、そのメーカーの車が多いということでそのように呼ばれているようで、別に「ニッサン」が全て日産のコーチというわけじゃありません。これらは、バスターミナルのようなところにたむろしていて、お客さんがいっぱいになると発車します。ですから、目的地へ向かう車の中で、すでにお客さんが集まっているのを探すわけです。しかし、向こうもさるもので、さくらの客を集めておいて、さも、今すぐ発車しそうに見せかける輩も多いので、一筋縄ではいきません。料金はやはり交渉です。「ニッサン」は大体15〜20人近く、「プジョー」でも12人ぐらいは乗せるので、その窮屈さたるや、日本の通勤ラッシュ並み。さらに、地方へいくと舗装の悪いところもあるし、なにより、車自体が、超おんぼろなので、乗り心地はけっして良くはありません。値段は「プジョー」の方が高く、スピードも速いのですが、事故をおこす確率も「プジョー」の方が高いようです。と言う訳で、右は事故を起こした車の写真。形はニッサンだけど、これはホテルの送迎車。乗ってた客は私一人で、ドライバーが電話を探しに行った往復一時間、道端に取り残された私はポレポレ状態でした。


サファリ top

ケニア旅行のハイライトと言えば、国立公園・動物保護区の中を車で走りまわって写真を撮る、サファリです。(現地ではゲームドライブと言うことが多い) どんな動物に出会えるかは、運とドライバーの勘次第。あまり動物に会えなかったとしても、広大なサバンナを走る爽快感は、日本にあるサファリパークでは味わえないものです。

最近は、コンパクトカメラでも三倍ズームぐらいついている機種もありますが、ここはやはり、一眼レフ+望遠(ズーム)レンズを持っていきたいものです。また、ミネラルウォーターやビスケットといった軽食も持っていった方がいいかもしれません。特に雨季には、突然のスコールでできたぬかるみにタイヤを取られたり、ハイエナの穴に落ちたりしてスタックしてしまう危険があるからです。救助が来ないまま、一晩車の中で過す羽目になることもありうるのです。


言葉 top

ケニアで使われる言葉には、英語・スワヒリ語と、各部族の言葉があります。学校教育が基本的に英語で行われるため、大抵のケニア人は英語がしゃべれます。スワヒリ語は一応共通語としてほとんどの人がしゃべれます。田舎の方にいくと、自分の部族の言葉しかしゃべれないという人もいるようです。ちなみに、ナイロビでは「ヤスイヨ」とか「クツミガキ」とか日本語で声を掛けられる事が良くあります。

日本語のできるガイドも多いし、ホテルなどでは確実に英語が通じるので、あまり言葉で不自由は感じないかもしれませんが、やはり、簡単なスワヒリ語が分かった方が楽しいでしょう。私の覚えたスワヒリ語をいくつか挙げてみましょう。

サーナ
英語で言うと"very" 修飾する語の後に付けます。
ハバリ?
いかが? 英語で言うと"How are you?" 挨拶では有名な「ジャンボ」より、こっちの方が一般的だと感じました。
ンズリ
英語で言うと"fine" 「ハバリ?」と挨拶されたらこう応えましょう。「サーナ」と組み合わせて「ンズリ・サーナ」という言い方もGood
アサンテ
ありがとう。"thank you very much"という風に強調したいときは「アサンテ・サーナ」
ポレポレ
あせらず、とか、のんびり行こうとか、そんな感じ。"take it easy" に近いです。色々と応用範囲の広い言葉みたいで、人をなだめたりするときにも使います。
バリディ
冷たい。ケニア人は、あまり冷えた飲物は飲まないようで(冷蔵庫の普及率のせいもあるだろうけど)、普通に頼むとビールなんかも生ぬるいもの出されます。冷たいのが欲しいときは「シンハ、バリディ・サーナ」(よく冷えたシンハ -ケニアの代表的ビール- を)というように頼みます。もっとも、地方に行くと冷蔵庫が無くて、どう頼んでも生ぬるいのしか出てこないこともありますが。
カリブ
welcome。客を招き入れたときや、食事を振る舞うときの「召し上がれ」にも使えます。
トシャ
満足。食事を頂いた後の「ごちそうさま」にも使えます。

その他 top

治安
ナイロビの治安は恐ろしく悪いです。夜はあまり遊び歩かない方が無難です。どうしても夜外出するときは歩かずにタクシーを使うように。あまりきれいな服やバッグを身に付けて歩くのも止めた方がいいでしょう。腕時計も外して歩いた方が良いと思う。本人は安物のつもりでも、「日本人がつけている時計=高級品に違いない」と思われるようです。

部族
ケニア人(というかアフリカ人)の部族意識は我々の想像以上に強いようです。(ルワンダの悲劇で明らかになりましたね) ケニア人から「おまえは日本人だが、その中の何という部族に属してるんだ?」と尋ねられた事もよくあります。ルオー、キクユ、サミア、カレン等の代表的部族名を覚えておいて、適当に答えるというのもうけますね。ただ、地域によっては部族間抗争が激しいところもあるので、そういうところには近づかないようにしなければ危ないです。(ツアーに参加してればそういう心配はしなくて大丈夫でしょう)

お土産
ありがちなのは、木彫りや石で作った象やサイなどの置物。かさばらないところでは、首飾りやイヤリングなどのアクセサリ。アフリカならではの色使いの絵もお勧め。カンガと呼ばれる布(女性のスカートにもエプロンにも風呂敷きにもなる)もきれいだけど、これはお土産ではなく日用品として売られています。お土産屋で値切るのはかなりの根性が必要です。


ホームステイ top

普通の旅行じゃ不可能なのですが、私の場合、ケニアの田舎に教師として派遣された青年海外協力隊員の友人を訪ねていったので、友人の教え子の家に泊めてもらうという機会に恵まれました。土の壁に草葺の屋根の丸い家。電気もガスも水道も無いけど、家族皆が驚くほど純朴かつ親切で、忘れがたい体験になりました。

ちなみに、土の壁の丸い家。あれは、家族全員が暮らす大きな家、というんじゃなくて、部屋みたいなものです。台所の建物。お父さんの建物。お母さんの建物。子供の建物。これらが全部独立していて、庭を囲むように建っているのです。

あと、クリスチャンが多い所なので、機会があれば日曜日に教会へ行ってみるのも興味深い体験ができます。オルガンじゃなくて太鼓を伴奏にした賛美歌、ラップ調のノリの良い説教、本当に真剣に祈りを捧げる人達の姿や、ちょっとおめかしして来る子供達とか。


もっと詳しいことがお知りになりたい方は、分かる範囲でお答えしますので、メールをどうぞ。

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